「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーランだ。

1.4L+ツインチャージャーでも十分な走りっぷり

画像: カーナビはオプションだが、安全&快適装備は充実している。小物入れなど収納スペースも豊富だ。

カーナビはオプションだが、安全&快適装備は充実している。小物入れなど収納スペースも豊富だ。

そのボディはカッチリとしていて、背が高く後ろが長いクルマだという印象はまったく抱かせない。前を向いて運転している限りは、ちょっと大きめのコンパクトカーを操っているかのごとく、意のままに走ることができる。調子に乗りすぎると、後席の人がとんでもない思いをすることになるので、心の中で「自制心」と唱えなければならないくらいだ。

ワインディングロードでもカッタルさを全然感じさせないほどパワフルで、きつめの勾配もグイグイと登るし、DSG(DCT)も洗練されていて、ギクシャク感を感じるシチュエーションはほぼないといっていい。国産ミニバンのようなおもてなし飛び道具はないものの、きっちり走れるファミリーカーとしての性能はすこぶるレベルが高い。ロングドライブでの疲労度の差で、この真価は確実に現れるだろう。

ロングドライブといえば、気になるのが燃費性能。フォルクスワーゲンは小排気量エンジン+DCTで好燃費を達成しているのは周知の事実だが、このゴルフ トゥーランもご多分に漏れず10・15モードで14.6km/Lという好燃費を誇っている。

そのため、75%のエコカー減税(最大17万円)が適用され、しかも3年間フリーメンテナンスが受けられる「フォルクスワーゲン プロフェッショナルケア」が付いて293万円からという車両価格は、転売するときの下取り価格の高さを考えたら、なかなかお得かもしれない。

ゴルフ トゥーランは、国産ミニバンと比較検討するターゲットとして、プライス的にも十分枠に入るクルマになってきているようだ。

画像: ダウンサイジングターボエンジンとDCTの組合せで、10・15モード燃費は14.6km/Lとなかなかの数値を達成。

ダウンサイジングターボエンジンとDCTの組合せで、10・15モード燃費は14.6km/Lとなかなかの数値を達成。

■フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン TSIハイライン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4405×1795×1670mm
●ホイールベース:2675mm
●車両重量:1580kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ+スーパーチャージャー
●排気量:1389cc
●最高出力:103kW<140ps>/5600rpm
●最大トルク:220Nm<22.4kgm>/1250-4000rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:14.6km/L
●タイヤ:205/55R16
●当時の車両価格(税込):339万円

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