予選2番手のフェルスタッペンが優位な状況か
朝方まで雨が降ったものの、予選時の路面はドライ。気温22度、路面温度33度と、タイヤが温まりにくい状況で予選Q3はスタートした。
Q3最初のアタックでは、ルクレールがトップに立ち、わずかの差でフェルスタッペンが2番手で続く。残り時間がわずかとなった最後のアタックでは、フェルスタッペンがセクター1で全体ベストタイムをマークして逆転ポールポジションを狙ったが、なんとルクレールがプールサイドシケインでクラッシュ。これでセッションは赤旗中断となり、ルクレールがそのままポールポジションを獲得する一方で、フェルスタッペンは2回目のアタックを中断せざるを得ず2番手のまま予選終了となる後味の悪い結果となってしまった。
ルクレールにペナルティはないが、マシンのダメージは相当で、決勝までにどこまでマシンを修復できるかがポイントとなる。もしギアボックス交換となれば5グリッド降格、モノコック交換となればピットレーンスタートとなる。
フェラーリが復活する一方、メルセデス勢はやや精彩を欠く状態で、ルイス・ハミルトンが7番手、バルテリ・ボッタス3番手と、いつもと少し違う予選結果となった。フェルスタッペンにとっては、ポールポジションこそ逃したものの、フロントロウからのスタートで大いにチャンスがあると言えそうだ。
ホンダ勢は、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が6番手、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が9番手につけているが、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は惜しくもQ1をクリアできず16番手となった。
タイヤを供給するピレリは「予選セッション中にトラックの進化が見られましたが、金曜日の休日と雨により、トラックはリセットされました。モナコのセッションは最初から最後まで非常にタイトで、エラーも起こります。緊迫した予選ではソフトタイヤがデフォルトの選択となりました。ミディアムタイヤと比較してラップあたり0.5秒以上も差があるので、他のコンパウンドを走らせる意味はありませんでした」と予選を分析。
決勝レースに向けては「78周で行われる決勝では、さまざまな可能性がありますが、戦略的にはシンプルなワンストップレースとなります。ただ、劇的な結末となった予選が示すように、モナコは予測不可能です。変化をもたらすのは、おそらくセーフティカーと天候です。日曜日はドライとなる予報ですが、この時期の地中海沿岸の気候は気まぐれです。トップ10はすべてソフトタイヤからスタートしますが、そのほかのドライバーもソフトタイヤでスタートすることになるでしょう。その後、ミディアムタイヤまたはハードタイヤのいずれかに交換するのが定石ですが、一部のドライバーは逆の戦略を試みる可能性もあります。つまり、ハードタイヤでスタートして、その後にソフトタイヤを履くという戦略です」と予測している。
2021年F1第5戦モナコGP決勝は5月23日日本時間22時(現地時間15時)に開始される。
2021年F1第5戦モナコGP予選 結果
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1:10.346
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1:10.576
3位 77 V.ボッタス(メルセデス) 1:10.601
4位 55 C.サインツ(フェラーリ) 1:10.611
5位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) 1:10.620
6位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ) 1:10.900
7位 44 L.ハミルトン(メルセデス) 1:11.095
8位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス) 1:11.419
9位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ) 1:11.573
10位 99 A.ジョビナッティ(アルファロメオ・フェラーリ) 1:11.779
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16位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)