スタイリッシュな2ドアクーペに2.8L直6DOHCを搭載
1980年代に入るとクルマへの要求が厳しくなってきた。速ければいいという1970年代までの常識も受け入れなくなり、速さと贅沢さの両方を兼ね備えたクルマが必要とされてきたのだ。そんな時代背景の中で1981年に登場したのがソアラだった。
流麗なスタイリングは見た目だけでなく、空力特性も追求したもの。インパネは日本初のデジタルメーターを採用で斬新さを強調した。そしてトップグレードの2800GTのボンネットを開ければ、5M-GEUという2.8Lの大排気量DOHCエンジンが収まり、当時の自動車ファンに大きなインパクトを与えた。
ゴージャスでしかも速い、いわゆる「ハイソカー」の登場だ。実力的にも最高出力170ps/5600rpm、最大トルク24.0kgm/4400rpmの動力性能を発生し、ハイパフォーマンスカーと呼ぶにふさわしいものだった。
シャシはそれまでの国産車と一線を画す高剛性を確保した上で、フロントにストラット、リアにセミトレーリングアームの4輪独立サスペンションを採用。前後ともにストロークをたっぷりと取れる形式としたことで、しなやかな走りを可能としていた。
2800GT系では、ハードにチューニングされたサスペンションに加え、前後ともベンチレーテッドディスクブレーキを採用した。オプションでLSDも用意されるなど、走り志向も視野に入れていたといえる。
グレードは「GT」と内外装のオプションをあらかじめセットした「GTエクストラ」を設定していた。
トヨタ ソアラ 2800GT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4655×1695×1360mm
●ホイールベース:2660mm
●車両重量:1300(1305)kg
●エンジン:直6 DOHC
●排気量:2759cc
●最高出力:170ps/5600rpm
●最大トルク:24.0kgm/4400rpm
●トランスミッション:5速MT(4速AT)
●駆動方式:FR
●10モード燃費:8.9(8.1)km/L
●車両価格(税込):266万7000円(275万円)※1981年当時