EQSはエレクトリックSクラスか?メルセデスEQシリーズのフラグシップとなるEQSが発表された。異次元のハイテックを採用した新世代高級車の詳細を、ひと足早く現地からお届けする。(Motor Magazine2021年6月号より)

ハイテク制御を駆使して航続距離は770kmを達成

EQSはワンモーター後輪駆動のEQS450+、そしてモーター4WDのEQS580の機種が用意されており、400Vのエレクトリックアーキテクチャーを持つ電池容量は107.8kWhだが、システム出力は前者が245kW、今回同乗試乗した後者は385kW、最大トルクはそれぞれ568Nmと855Nmを発生する。またダイナミック性能は0→100km/hは6.2秒と4.3秒、最高速度はともに210km/hに制限される。

注目の航続距離は後輪駆動バージョンが最大で770km(WLTP)に達する。これにはブレーキだけに頼らない、ナビやクルーズコントロールでの車間維持におけるインテリジェント回生システムが貢献している。シャシはエアサスペンションが標準で後輪ステアも採用されており、アウトバーンでの高速安定性向上から街中での取り回しに役立つ。

未来的な技術として興味深かったのはAIによるシャシセッティング学習機能で、住宅地にあるスピードバンパーを一度通過するとその場所がGPSデータに記憶され、次に通過するときにはエアサスペンションがソフトなセッティングに自動的に切り替わる。

EQSは5ドアハッチバックセダンというカジュアルな出で立ちが示すように、独立したトランクを持った3ボックスのSクラスとは性格が異なる。つまり、ショーファードリブンではなく、あくまでプライベートユースを前提とした新世代の高級車なのだ。日本での発売は2022年1月を予定しているようだ。(文:木村好宏/写真:ダイムラーAG)

画像: ドアを開けるとダッシュボードいっぱいに広がる1.4mのハイパースクリーンに驚かされる。並外れた快適性も備えた、先進の移動空間となっている。

ドアを開けるとダッシュボードいっぱいに広がる1.4mのハイパースクリーンに驚かされる。並外れた快適性も備えた、先進の移動空間となっている。

メルセデス・ベンツ EQS450+ 主要諸元

●全長×全幅×全高:5216×1926×1512mm
●ホイールベース:3210mm
●車両重量:2480kg
●モーター:永久磁石同期モーター
●最高出力:245kW(333ps)
●最大トルク:568Nm
●バッテリー総電力量:107.8kWh
●駆動方式:RWD

メルセデス・ベンツ EQS580 4マティック 主要諸元

●全長×全幅×全高:5216×1926×1512mm
●ホイールベース:3210mm
●車両重量:2585kg
●モーター:永久磁石同期モーター
●最高出力:385kW(523ps)
●最大トルク:855Nm
●バッテリー総電力量:107.8kWh
●駆動方式:4WD

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