サーキットを攻めるのが楽しい。けれど、子どもとふたりでの旅にもぴったり
そんな新型コルベットをいち早くドライビングする幸運に恵まれた3人のドライバーから、それぞれの1stインプレッションをお聞きすることができた。まずはゼネラルモーターズ・ジャパンの代表取締役社長、若松 格氏のコメントから。
「非常に乗りやすくて、疲れが少ないのが印象的です。ドライバーの着座位置は、先代コルベットに比べて400mmも前にシフトしていますが、クルマの重心位置のほぼ直上に座っている感覚はとても新鮮です。右ハンドル仕様でもペダル位置が適正で、ストレスフリーで運転することができます」
ちなみにストレスフリーと言えば、この手のスーパーカーで気になるのが最低地上高の低さ。3LTにはフロントにリフターが標準装備となるが、2LTにはオプションでも装備することができない。だが新型コルベットでは、もっとも低い空力制御用のラバーフィンの部分でも約90mmが確保されているとのこと。本国アメリカのドライバーのある意味「ずぼら」な運転に合わせた仕様だが、日本のコンビニエンスストアなどのクルマ止めでも、干渉することは少ないかもしれない。
ふたつめのインプレッションコメントは、モータージャーナリスト清水和夫氏から。曰く「これまでは荒馬を乗りこなす感覚だったけれど、もっとスマートなカウボーイ気分で楽しめるスポーツカー。乗り心地が引き締まっていて、余計な振動などを感じさせない洗練されているところはまさに、オープンロードで本領を発揮してくれそう。V8自然吸気のサウンドもいい」と絶賛。自ら夢見るコルベットと過ごす理想のカーライフ像として「普段から乗り回していて、休みは富士スピードウェイにドライブ、軽くサーキットランを楽しんだら山中湖あたりでソロキャンプ・・・大人が夢見るマルチなカーライフが実践できそう」と語ってくれた。
ラストは、スーパーGTでも活躍している久保凛太郎選手だ。最近、結婚されたという久保選手は「このトランクならベビーカーが入りそう」と、リアルに生活密着型の視点からコメント。「息子が大きくなったら、男ふたりでドライブに行けそう」と嬉しそうに語っていた。「本コースでハイペースで走っていても、ラグジュアリーなんです。スーパーカーだけど、我慢しないで済む。ある意味、サーキットで使うのがもったいないくらいですね(笑)」
最高出力502ps、最大トルク637Nmを発生する6.2L V8ユニットは、新開発の8速DCTと組み合わされて、0→96km/h加速タイムが2.9秒という圧倒的なパフォーマンスを発揮する。その一方で、快適な乗り心地や扱いやすいダイナミック性能、充実したインフォテインメント装備など、優れた実用性、日常性も兼ね備えている。まさに「洗練された野性」・・・と言ったところだろうか。公道でのテストドライブに、早く連れ出したい!(文:神原 久/写真:井上雅行、ゼネラルモーターズ・ジャパン)
シボレー コルベット クーペ3LT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4630×1940×1220mm
●ホイールベース:2450mm
●車両重量:1670kg
●エンジン:V8 OHV
●排気量:6153cc
●最高出力:369kW(502ps)/6450rpm
●最大トルク:637Nm/5150rpm
●トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:MR
●燃料・タンク容量:プレミアム・70L
●タイヤサイズ:前245/35ZR19、後305/30ZR20
●最高速:312km/h(北米仕様車)
●0→96km/h加速:2.9秒(北米仕様車)
●車両価格:1400万円