「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォルクスワーゲン シャランだ。

ツインチャージの1.4Lエンジンは予想以上に良く走る

画像: フォルクスワーゲンらしい機能的なインパネまわり。ATはフロア式だがハイラインはパドルシフト付き。カーナビはオプション。

フォルクスワーゲンらしい機能的なインパネまわり。ATはフロア式だがハイラインはパドルシフト付き。カーナビはオプション。

シート配列は2-3-2の7人乗り。セカンドシートはキャプテンシートではないが、3つのセパレートシートで、おとな3人がキチンと座れる。個別に160mmのスライドも可能だ。サードシートもセパレートシートで、大人ふたりでも十分な広さがある。

セカンド&サードシートはすべて個別に折りたたみが可能で、それぞれの折りたたみに力は要らない。サードシートはカーゴスペース側から片手で簡単に倒せる。しかも床下に収納されるから、カーゴスペースは低くフラット。サードシートをたたむと奥行きは1.3mで背 もたれまでの高さで711L、セカンドシートもたたむと奥行きは2.1mで最大2297Lもの広大なスペースとなる。こうした使い勝手の良さは、日本のミニバンを徹底的に研究した成果といえるだろう。

1.8トンを超えるボディにツインチャージとはいえ150psの1.4Lでは・・・と思ったが、意外やこれが良く走る。低速からトルクが立ち上がるので発進でもモタつくことはないし、6速DSG(DCT)との相性も良く加速もスムーズ。しかもアイドリングストップ機能(けっこう積極的にエンジンを止めるタイプ)とブレーキエネルギー回生システムを備えているから、燃費もかなり良さそうだ。

そして、何よりもフォルクスワーゲンらしいガチッとした剛性感のある乗り味。これは日本のミニバンでは得られないもの。装備と価格を比較すると、同クラスの日本製ミニバンよりお買い得感は高い。LLミニバンの購入を検討されているひとは、ぜひともシャランも候補に挙げてみて欲しい。

画像: 全長は約4.9m、全幅も約1.9mという日本製LLミニバンより大きなサイズだが、サイズ感覚がつかみやすく運転は楽だ。

全長は約4.9m、全幅も約1.9mという日本製LLミニバンより大きなサイズだが、サイズ感覚がつかみやすく運転は楽だ。

■フォルクスワーゲン シャラン TSIハイライン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4855×1910×1750mm
●ホイールベース:2920mm
●車両重量:1830kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ+S/C
●排気量:1389cc
●最高出力:110kW<150ps>/5800rpm
●最大トルク:240Nm<24.5kgm>/1500-4000rpm
●トランスミッション:6速DCT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:14.0km/L
●タイヤ:225/50R17
●当時の車両価格(税込):438万円

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