新型電気自動車iXとi4が日本デビュー
2025年までに新型BEV9車種を含む車種の電動モデルを市場投入することを発表したBMW。欧州のほかのメーカーも次々と電動化戦略を進めている中で、BMWも電動化技術などの研究開発に300億ユーロ以上を投資して、覇権争いに負けないような施策を展開している。そんな中、2021年には日本に「iX」と「i4」という2台の新型BEVが導入される。
iXはラージクラスSUV(BMWではSAV=スポーツ アクティビティ ビークルと呼ぶ)で、全高はX6レベルということから、想定ライバルはアウディのeトロン スポーツバックだ。注目したいのは最先端の充電テクノロジー。200kWまでのDC高速充電によって、バッテリー容量の10〜80%まで40分で充電が可能。また、10分の高速充電で、航続距離が120km延長するということで、利便性が高そうだ。
そしてもう1台のi4だが、こちらはそのデザインから、BMWでは「グランクーペ」と呼ぶ4ドアクーペのボディを持つ。車名の「4」とそのデザインから4シリーズの流れを汲んでいることが想像され、新型4シリーズ グランクーペはBEVとして生まれ変わったと言っていいだろう。コンセプトの違う2台で、ユーザーの心を捉えることができるか。
BMW M3/M4の四輪駆動モデルがラインナップ
以前に掲載したBMW M3/M4の試乗記の中でも少し触れているが、M3/M4には2021年秋以降に、シリーズとしては初めてとなる4WD(M xDrive)モデルの投入が予定されている。
M3/M4コンペティションのエンジンは最高出力510ps、最大トルク650Nmを発生。停止状態から100km/hまでの発進加速性能は、それぞれ3.9秒ということで、その高い動力性能はお伝えしたとおり。しかし、試乗したモデルは後輪駆動ということで、トラクションの限界が見えたことも事実。つまりは卓越したエンジンの能力を最大限に引き出すために、4WD化は避けられなかったと言えるだろう。
Mモデル専用開発の四輪駆動システムxDriveは、極めて素早くかつ正確に作動する新しい制御システムを採用。必要に応じてトランスファーケース内の電子制御多板クラッチを無段階に制御し、前輪と後輪に駆動トルクを可変配分してくれる。ただし、Mならではの後輪駆動を意識したシステム設計により、スポーティなコーナリングで高いレベルの安定性と運動性能を実現する。
操る楽しさをより感じられる後輪駆動を選ぶか、高いトラクション性能を発揮する4WDを選ぶか、そんな楽しい悩みが増えそうだ。