「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、スズキ MRワゴンだ。

スズキ MRワゴン(2011年:3代目フルモデルチェンジ)

画像: ストレート基調の切れの良いデザイン。ホイールベースは、スズキの軽自動車でもっとも長い2425mmだ。

ストレート基調の切れの良いデザイン。ホイールベースは、スズキの軽自動車でもっとも長い2425mmだ。

3代目のMRワゴンは、先代の「ママワゴン」からターゲットユーザーを自分らしいライフスタイルを楽しむ20代の男女へシフトした。スタイリングも大きく変わった。先代から受け継いでいるのは、キックアップしたリアクオーターウインドーや縦長のリアコンビネーションランプくらい。全体のデザインテイストは、丸みを帯びた愛らしいデザインから、ストレート基調の切れの良いデザインになった。ボンネットやヘッドランプも個性的な形状で、グリルレス風のフロントマスクは斬新だ。

プラットフォームは、スズキの軽として初めて歩行者脚部対応構造を盛り込み、新設計エンジンを搭載するためにフロントのサブフレーム周辺を一新した。ホイールベースはスズキの軽で最も長い2425mmで、先代より65mm長く、ワゴンRよりも25mm長い。

インテリアのデザインも斬新だ。「くつろげる自分の空間」をコンセプトに、水平基調の白いインパネガーニッシュNOTE前に浮くように、黒くフラットなセンターパネルを配し、左側の部分を先進的なデザインのタッチパネルオーディオとしている。

キャビンは広く、快適だ。室内長は2120mm(リアスライドシート仕様)を達成し、先代のMRワゴンより185mm、ワゴンRよりも85mmも長い。前後シート間距離も先代より155mm長い1000mmだ。ベンチタイプのフロントシートは大ぶりで座り心地が良く、ヒップポイントは地面から650mmと適切な高さで見晴らしが良く、乗り降りもしやすい。

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