「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ホシノインパルがカスタマイズした日産 エルグランドだ。

走りはマイルドだがドライバーの意志に忠実

画像: 重心は35mmほど下げられており、ノーマルでもロー&ワイドなエルグランドのプロポーションをさらに低く見せている。

重心は35mmほど下げられており、ノーマルでもロー&ワイドなエルグランドのプロポーションをさらに低く見せている。

街中を走り出すと意外にもチューンドというイメージは良い意味で薄く、走りはかなり快適だ。普通に走っているときにはマフラーの音も気になることはないし、パワーも穏やか。35mmほど重心は下げられているが、乗り心地はしなやかさが際立っていて不快感はまったくない。ブレーキも剛性感のあるタッチの仕上がりだが、踏力は変わらないし、効き方も素直でジェントルだ。

それでもドライバーが要求すれば、しっかりと応えてくれる。スロットルを踏む意思を示せば即座に反応し、トルクが立ち上がるといったイメージだ。高回転におけるヌケの良いサウンドもなかなか好印象だ。

そして、このクルマのもっとも魅力的な部分は、スピードを乗せた時に感じる安心感だ。低重心化されたとはいえ、まだまだ腰高に感じるノーマルとは違い、コーナリングも不安感なく狙ったラインをトレースできる。

また、確実なストッピングパワーも魅力的だ。エルグランドの場合、2トンを超える車両重量が走りの上でネックになってくる。この重さをしっかりとカバーできるだけのブレーキがこのクルマには備わっている。パワーやコーナリングスピードを高めるだけでなく、止めるための術をしっかりと対策している点は、さすがだ。

ミニバンだからとビジュアル重視に走らず、走りの部分に対してきちんと答えを出す。いかにもインパルらしい仕上がりのクルマだった。

画像: サウンドだけでなく排気効率のアップにも効果のある4本出しのマフラーから快音を発して駆け抜ける。

サウンドだけでなく排気効率のアップにも効果のある4本出しのマフラーから快音を発して駆け抜ける。

■日産 エルグランド 350ハイウェイスター プレミアム(ベース車両) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4915×1850×1815mm
●ホイールベース:3000mm
●車両重量:2020kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3498cc
●最高出力:206kW<280ps>/6400rpm
●最大トルク:344Nm<35.1kgm>/4400rpm
●トランスミッション:エクストロニックCVT(6速マニュアルモード付き)
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:9.4km/L
●タイヤ:225/55R18
●当時の車両価格(税込):435万7500円

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