PHEV化でリアサスペンションをグレードアップ
独自のサスペンションテクノロジーであるPHC(プログレッシブ ハイドローリック クッション)で、快適な乗り心地を提供するシトロエンのミドルサイズSUV「C5 エアクロスSUV」。これまで1.6L 直4 DOHCターボ(180ps/250Nm)と2L 直4 DOHCディーゼルターボ(177ps/400Nm)の2つのパワーソースを有していたが、今回シトロエンブランド初となる、PHEVの「C5 エアクロスSUVプラグインハイブリッド」が新たに仲間入りした。
13.2kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載したこのモデルは、100%電気駆動(EV走行)となるエレクトリックモードでの走行では、ほぼ無振動のドライブトレーンとの相乗効果で、きわめて高い静粛性を実現しているという。
パワートレーンは、1.6L 直4 DOHCターボ(180ps/300Nm)をベースに110psのモーターをフロントに搭載し、システムトータル出力225ps/360Nm(欧州仕様公称値)を発生する。トランスミッションは、トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチと電動モーターを用いたPHEV専用8速オートマチックe-EAT8が組み合わされる。
ちなみに、駆動用リチウムバッテリーはリアシート下に搭載される。そのため、後席の居住スペースとラゲッジスペースは従来の純内燃機関仕様と実用上ほとんど変わらないという。電動化を見据えて開発した、プラットフォームEMP2(エフィシエント モジュラー プラットフォーム2)採用のメリットと言えそうだ。
駆動用リチウムバッテリーの床下搭載によるリア荷重増加にともない、リアサスペンションを従来のトーションビームからマルチリンク式へとアップグレードされている。これにより、前後重量配分がディーゼル仕様で前61:後39/ガソリン仕様で前60:後40だったところが、前56:後44へとセンター寄りの重心位置になった。走行性能向上への効果は想像に難くない。