2021年6月26日、F1第8戦シュタイアマルクGP予選が行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが唯一1分3秒台の圧倒的なタイムでポールポジションを獲得した。ホンダ勢は、セルジオ・ペレスが5位、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは6位、角田裕毅は8位と、全車トップ10に入る速さを見せつけて、決勝にのぞむことになった。

ホンダ勢は絶好調、4台がトップ8に

フェルスタッペンが2戦連続今季3度目のポールポジションを獲得。ホンダとしては通算83回目、レッドブルとしてはホームグランプリで初のポールとなった。

フェルスタッペンの走りは圧倒的だった。ポールポジションを決める予選Q3では全ドライバー唯一となる1分3秒台の圧倒的なタイムを連発。見事にメルセデス勢を完封した。

ホンダ勢は予選前に行われたフリー走行3回目も好調で、このセッションで全車トップ6入り。いい流れでのぞむことになった予選Q1ではフェルスタッペン、Q2ではペレスがトップタイムをマークし、4台ともに順調にQ3に進出。

そのQ3では、フェルスタッペンが1分3秒台を連発してポールポジションを決めると、ペレスはフェルスタッペンから0.3秒差の5番手、ガスリーはペレスとわずか0.05秒差の6番手、角田は自身最高の8番手と続いた。

なお、バルテリ・ボッタス(メルセデス)はフリー走行でのピットレーンでのスピンが危険行為と見なされ3グリッド降格、角田はQ3最初のアタックでボッタスの進路を妨害したとして3グリッド降格となり、ペレスは4番グリッド、角田は11番グリッドからのスタートとなった。

上位10台のうち、フェルスタッペンとメルセデス勢3台はQ2をミディアムタイヤでクリア。それ以外の7台はソフトタイヤで決勝をスタートすることになる。

画像: シュタイアマルクGP予選でポールポジションを獲得したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。

シュタイアマルクGP予選でポールポジションを獲得したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。

画像: 予選8位のタイムをマークした角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)。

予選8位のタイムをマークした角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)。

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「フェルスタッペン選手は、他のマシンが僅差の戦いをする中で素晴らしいパフォーマンスを見せ、ミスのない走りで2位に0.2秒という大きな差をつけました。5番手となったチームメイトのペレス選手は、決勝レースではミディアムタイヤでスタートするフェルスタッペン選手とは異なる戦略を採り、ソフトタイヤでのスタートになります。レースがうまい選手ですので、ポジションを上げてくれると思います。アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は、フランスGPに続く予選6番手。角田選手も予選8番手と、自身2回目の予選Q3でいい走りをしてくれました。どのドライバーもプラクティスでのロングランのペースはいいので、いいレースができることを期待しています」とコメント。各ドライバーは次のように語っている。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

「レッドブルのホームコースでチームにとって初のポールポジションを獲得できたことは素晴らしいですし、とてもうれしいです。2021年は予選のパフォーマンスを大きく改善できています。特にQ3の1回目のアタックはうまくいきました。このサーキットはコーナーの数は少ないですが、ターン3とターン4の繋ぎのブレーキなど、小さなミスで簡単にコンマ数秒を失うので、うまくラップをまとめるのが難しいです。コーナーのドライビングの仕方で大きな差がつくサーキットはあまりないので、F1にデビューした当初から好きな場所でした。他のサーキットはコーナリングの仕方がシンプルな場合が多いのですが、ここはいくつも選択肢があり、とても楽しいサーキットです。決勝レースは、再びかなりの接戦になるはずです。メルセデスはいいマシンを持っていますし、タイヤにも優しいので、僅差のレースを想定しますが、ファンにとっては楽しめるものになると思います」

画像: フェルスタッペンは2戦連続今季3度目のポールポジション。グランプリ初日から安定した速さを見せている。

フェルスタッペンは2戦連続今季3度目のポールポジション。グランプリ初日から安定した速さを見せている。

セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

「予選は少し残念に感じています。特にQ1がよくなく、予選全体で妥協を強いられることになってしまいました。Q1の最初のアタックでバランスに満足がいかず、2回目のアタックで2セット目のタイヤを使わざるを得ませんでした。これによって、Q3での最初のラップはユーズドタイヤとなり、そのラップはなかなかよかったのですが、新品タイヤでのアタックは難しいものになってしまい、期待したほどの向上ができませんでした。ここでは非常に僅差となりますし、中団勢も近づいてくるので、最初のアタックで何が起きていたのかをしっかりと分析して反省しなければなりません。決勝に向けて良い戦略が僕らにありますし、ソフトタイヤでのスタートですが、長いレースで、多くの選択肢があるので楽しみです。レースではいい戦いができると信じています」

画像: レース巧者のペレスが4番グリッドからスタートするというのは、チームにとって心強い。

レース巧者のペレスが4番グリッドからスタートするというのは、チームにとって心強い。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

「週末を通してマシンの感触はよく、いい形でステップアップできました。予選では、最初からあまりプッシュしない形で入り、セッションを経るごとに徐々にハードにアタックしていきました。最後のアタックは完璧ではなかったのですが、Q3に進出できたことはうれしかったですし、正しい方向に進んでいると思います。残念ながら(グリッド降格により)11番グリッドからのスタートになりますが、雨の可能性もあるので、色々なシチュエーションを想定した上でレースに臨みます」

画像: 角田は3グリッド降格ペナルティを受けたが、落ち着いて予選をクリアした。

角田は3グリッド降格ペナルティを受けたが、落ち着いて予選をクリアした。

ピエール・ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)

「今日はとても満足のいく結果でした。フリー走行2回目で走れなかったので、簡単にはいかないと思っていましたが、マシンはレースウイークを通じて素晴らしく、自信を持って予選に入れました。その自信を、結果で示せたのではないかと思います。Q1をタイヤ1セットのみで突破を果たせたのもいいことですし、フロントロウからもコンマ数秒の差でした。チームのすべての仕事に満足していますし、ここまで各レースウイークで向上できていることもうれしいです。僕らにとってはエキサイティングな時間ですし、プッシュし続ける必要はありますが、不可能なことはないと思うので、決勝が楽しみです」

画像: 6番グリッドを獲得したガスリー 。フリー走行2回目を走れなかったが、その不利を感じさせなかった。

6番グリッドを獲得したガスリー 。フリー走行2回目を走れなかったが、その不利を感じさせなかった。

タイヤを供給するピレリは「雨の予報もありましたが、予選は晴天で路面はドライ、気温31度、路面温度は52度と暑いコンディションになりました。このサーキットはラップタイムが速いため、ピットストップは不利になりますから、ワンストップが主流になるはずです。ただし、フェルスタッペン選手とメルセデス勢以外の上位陣はソフトからハードという戦略となり、これには注意深いタイヤ管理が必要になります。日曜日は大雨となる予報もあり、それが大きな影響を与える可能性もあります」と分析。

一方、フロントロウの2番グリッドからスタートするルイス・ハミルトン(メルセデス)は「今日はマックスに届きませんでしたが、あまりがっかりしていません。マックスは今週末とても速く、すべてのセッションでコンマ2秒アドバンテージを持っていました。それでも決勝では最前列からのスタートでチャンスがありますし、金曜日にロングランで好調だったクルマがあります。エキサイティングな午後になるでしょう。そして天気も影響するかもしれません」と語っている。

画像: フロントロウを分けあったメルセデスのルイス・ハミルトン(左)とフェルスタッペン。決勝はやはりこの2人の優勝争いとなるのだろうか。

フロントロウを分けあったメルセデスのルイス・ハミルトン(左)とフェルスタッペン。決勝はやはりこの2人の優勝争いとなるのだろうか。

第8戦シュタイアマルクGPの決勝は6月27日日本時間22時(現地時間15時)に開始される。

2021年F1第8戦シュタイアマルクGP予選 結果

1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1:03.841
2位 77 V.ボッタス(メルセデス)1:04.035
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス) 1:04.067
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)1:04.120
5位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ) 1:04.168
6位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ) 1:04.236
7位 16 C.ルクレール(フェラーリ)1:04.472
8位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ) 1:04.514
9位 14 F.アロンソ (アルピーヌ・ルノー)1:04.574
10位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス) 1:04.708

2021年F1第8戦シュタイアマルクGP 決勝スターティンググリッド

1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)
3位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)
4位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)
5位 77 V.ボッタス(メルセデス)
6位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
7位 16 C.ルクレール(フェラーリ)
8位 14 F.アロンソ (アルピーヌ・ルノー)
9位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)
10位 63 G.ラッセル(ウイリアムズ・メルセデス)
11位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

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