遊び心あふれるスタイルと開放的で機能的な室内空間で人気のカングーに、2021年7月1日クリーンディーゼルを搭載したモデル「ルノー カングー リミテッド ディーゼル MT」が発表された。6速マニュアルトランスミッションとの組み合わせで、運転する楽しさがさらに広がっている。限定400台のリミテッドエディション・・・こいつはそうとう面白い。

「ECOエリア」をキープすれば素早く加速。やっぱりストレスは皆無だった

実は以前、「ZEN EDC」で岡山県倉敷市から東京まで、ひとりで走った経験がある。その時感じたカングーの走りの魅力は、なんといっても「ストレスフリー」なことだった。乗り心地にもハンドリングにも尖ったところがなく、すべての挙動が穏やかで優しいカングーは、のんびり移動する時間を満喫するには最高の「好性能マシン」だったのだ。

そしてリミテッド ディーゼル MTもまた、しっかりストレスフリーだった。もちろんEDCとは違ってドライバーが最適なギアを選んでやる必要はある。だがこの1.5Lディーゼルターボは、とにかく全域でフレキシブルなので、神経質になる必要はまったくない。

画像: タコメーターの一部に「ECO」エリアを表示。この限られた回転数でシフトしてもかなり俊敏に走る。

タコメーターの一部に「ECO」エリアを表示。この限られた回転数でシフトしてもかなり俊敏に走る。

タコメーター上では1500rpmほども回していれば、十分に力強く加速してくれる。ここから2250rpmまでは「ECO」なエリアとして表示にマーキングが施されているのだけれど、この間でシフトをすれば十分に市街地での交通の流れに乗ることができる。しかもそこからさらにアクセルペダルを踏み込み続ければ、軽やかな伸び感を伴いながら、活発な加速まで見せてくれるのだ。

画像: 派手さはないけれど、機能性とデザイン性が絶妙にバランスしている。シフトフィールは軽くしっかりしている。

派手さはないけれど、機能性とデザイン性が絶妙にバランスしている。シフトフィールは軽くしっかりしている。

6速MTのシフト感覚も、想像以上に上質だ。自然に手が「載せられる」位置に設定されたシフトレバーは、ストロークが短くコクコクと軽やかかつはっきりとしたシフトチェンジが可能なので、積極的に操ることそのものが楽しくなってくる。高速道路などではもちろん6速に入れっぱなしでクルージングできるのだけれど、しばらくするとシフトチェンジしたくて左手がうずうずしてくることもあったほどだ。

画像: 「お道具感たっぷり」なのになぜかオシャレ。フランスならではのセンスの良さが光るデザインだ。

「お道具感たっぷり」なのになぜかオシャレ。フランスならではのセンスの良さが光るデザインだ。

今回の試乗ではワインディングロードでのチェックができなかったのは残念。けれど、きっとそんなシーンでもファンなドライビングを満喫させてくれるに違いない。ルノー カングー リミテッド ディーゼル MTは確かに、カングーのマルチな才能をさらに大きく広げてくれる魅力的な1台だった。(文:Motor Magazine編集部 神原 久/写真:永元秀和)

ルノー カングー リミテッド ディーゼル MT 主要諸元

●全長×全幅×全高:4280×1830×1810mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1520kg
●エンジン:直列4気筒SOHC ディーゼルターボ
●排気量:1460cc
●最高出力:85kW(116ps)/3750rpm
●最大トルク:260Nm(26.5kgm)/2000rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:軽油・60L
●タイヤサイズ:195/65R15
●WLTCモード燃費(総合):19.0km/L
●車両価格:282万円

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