2021年7月29日、スバルはピュアFRスポーツの新型「BRZ」を発表し、同日より販売を開始した。フルモデルチェンジした2代目のBRZ(型式:ZD8)は、初代同様トヨタとの共同開発で誕生したモデルだ。

ボディ剛性強化、そして軽量化と低重心化とで磨きをかけた走り

2012年3月にトヨタの86との共同開発で誕生した、スバルの本格FRスポーツ「BRZ」にフルモデルチェンジが行われた。初代同様にトヨタとの共同開発が行われ、同社が近々発表予定の「GR86」とは異なる、スバルならではのテイストが盛り込まれた仕様となっている。グレード展開は「R」と「S」の2タイプで、前者がベーシックグレードとなる。

新型BRZで、まず注目したいのがエンジン。従来の2L水平対向4気筒DOHCエンジンから排気量アップした新型2.4L水平対向4気筒DOHCエンジンが搭載されている。これは、徹底した吸排気性能の強化とフリクション低減により、最高出力235ps/最大トルク250Nmを発生。素早いレスポンスと滑らかに高回転まで吹け上がるスポーツカーらしいフィーリング、そして力強い加速を味わわせてくれるという。

トランスミッションは、従来と同じ6速MTと6速ATを設定。ただし、6速AT車は、SPORTモードの制御を改良されている。クルマがスポーツ走行中と判断した場合、ドライバーの意思や操作に応じて、最適なシフト操作を自動的に行い、よりダイレクト感のあるコーナリングができるようになっている。

画像: 搭載される2.4L水平対向4気筒DOHC(235ps/250Nm)エンジン。高回転まで気持ちよく吹け上がるという。

搭載される2.4L水平対向4気筒DOHC(235ps/250Nm)エンジン。高回転まで気持ちよく吹け上がるという。

ボディ剛性は、インプレッサやレヴォーグでその実力を証明したスバルグローバルプラットフォーム(SGP)のノウハウをベースに、インナーフレーム構造や構造用接着剤などを採用することで強化。従来モデルに対しフロント横曲げ剛性が約60%、ねじり剛性が約50%と大幅に向上している。ハンドル操作の応答性や、旋回時のトラクション性能などのアップに期待が持てるところだ。

軽量化と低重心化も図られている。ルーフをはじめボンネットフード、フロントフェンダーの素材にアルミを採用するとともに、前後左右重量の適正化やさらなる低重心化を実現している。もちろん、運動性能アップのためだ。

エクステリアは、より躍動感あふれるものへと変身を遂げている。低く、そしてワイドに配されたヘキサゴングリルが低重心を主張し、グリルから始まり後方へ連なる芯の通った造形により、体幹の力強さを表現されている。絞り込んだキャビンと力強く張り出したフェンダーのダイナミックな抑揚も、いかにもスポーツカーらしい。

実効力のある空力パーツも纏う。サイドシルスポイラーやフロントバンパーダクト、フロント&リアエアアウトレット、リアアーチフィンなどは、デザイン性だけでなくスポーツカーとしての性能を最大限に引き出す空力アイテムとして装備される。

画像: 低い重心が走り心の確かさを予感させている。サイドシルスポイラーやフロントバンパーダクト、フロント&リアエアアウトレットなどの機能重視の空力パーツも頼もしい。

低い重心が走り心の確かさを予感させている。サイドシルスポイラーやフロントバンパーダクト、フロント&リアエアアウトレットなどの機能重視の空力パーツも頼もしい。

インテリアのキーワードは「走りに集中する」だ。シンプルな水平基調のインパネや低く設置したメーターバイザーの採用は、広い視界を確保してドライバーが運転に集中しできるようにとの配慮だ。7インチカラー液晶やLCD液晶を組み合わせたデジタルメーター(BOXERメーター)は、必要な情報をわかりやすく表示し、日常の運転からスポーツ走行時まで、あらゆる状況下で直感的に情報を把握することを可能とする。

装着されるスポーツシートは、高いホールド性とフィット感とで、ドライバーの疲労軽減に役立つとともに、クルマの挙動を正確に伝える役目も果たす。

安全性能の充実も抜かりはない。運転支援システム「アイサイト」が6速AT車に標準装備され、プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールなどが、安心で快適なドライブをアシストしてくれる。また、採用範囲を拡大した高張力鋼板よりボディを強化するとともに、各種エアバッグをはじめとする乗員保護システムの強化で、衝突安全性能の向上も図られている。

ボディカラーはクリスタルパールホワイト、アイスシルバーメタリック、マグネタイトグレーメタリック、クリスタルブラックシリカ、イグニッションレッド、サファイアブルーパール、WRブルーパールの7色が用意される。

初年度の月間計画台数は500台。

画像: ドライバーが運転に集中できるコックピットを念頭に、シンプルな水平基調のインパネや低く設置したメーターバイザーを採用。

ドライバーが運転に集中できるコックピットを念頭に、シンプルな水平基調のインパネや低く設置したメーターバイザーを採用。

スバル BRZ ラインナップ

R(6速MT/6速AT):308万円/324万5000円
S(6速MT/6速AT):326万7000円/343万2000円

スバル BRZ R 主要諸元

●全長×全幅×全高:4265×1775×1310mm
●ホイールベース:2575mm
●車両重量:1260[1280]kg
●エンジン:水平対向4DOHC
●総排気量:2387cc
●最高出力:175kW(235ps)/7000rpm
●最大トルク:250Nm/3700rpm
●トランスミッション:6速MT[6速AT]
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●WLTCモード燃費:12.0[11.8]km/L
●タイヤサイズ:215/45R17
●車両価格(税込):308万円[324万5000円]
[]内は6速AT仕様車

スバル BRZ S 主要諸元

●全長×全幅×全高:4265×1775×1310mm
●ホイールベース:2575mm
●車両重量:1270[1290]kg
●エンジン:水平対向4DOHC
●総排気量:2387cc
●最高出力:175kW(235ps)/7000rpm
●最大トルク:250Nm/3700rpm
●トランスミッション:6速MT[6速AT]
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●WLTCモード燃費:11.9[11.7]km/L
●タイヤサイズ:215/40R18
●車両価格(税込):326万7000円[343万2000円]
[]内は6速AT仕様車

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