「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ジープ グランドチェロキーだ。

トップ of ジープにふさわしいクオリティだ

画像: ヒーター内蔵ステアリングをはじめ快適装備も充実して、質感も高いインテリア。カーナビゲーションも標準装備されている

ヒーター内蔵ステアリングをはじめ快適装備も充実して、質感も高いインテリア。カーナビゲーションも標準装備されている

本国ではもっと大きなエンジンも用意されているが、今回、日本仕様として導入された車種は、新開発の3.6L V6のみ。性能面では可もなく不可もなく、5速ATの制御も含め、特筆すべきものもないが、アメリカ車によくあるドロドロという感じではなく、現代的な回転フィールであることが、かえって印象的だった。静粛性も極めて高く保たれている。

また、足まわりの大きな特徴として、ついに4輪独立サスペンションが採用されたことと、ジープ初のエアサスの導入が挙げられる。これには開発時期の関係で、メルセデス・ベンツ Mクラスとハードの共有化が図られたことが深く関与しているようだ。これにより乗り心地の快適性も向上し、俊敏というほどではないものの、走りの一体感が増すなど、クルマ自体の性格も、よりオンロード色が濃くなったように思えるのだが、フラッグシップとなったグランドチェロキーであれば、それでいいと思える。

それでいながら、副変速機や、路面状況に応じて5つのモードを選択できるトラクションコントロールシステム、105mmもの調整幅を持つ車高調整機構など、悪路走破性を高めるデバイスがふんだんに与えられているあたりも、さすがはジープの一員だ。

万能で本格的で、しかも高級。内容を知れば知るほど、新型グランドチェロキーのコストパフォーマンスの高さが魅力的に思えてくる。

画像: 走りの性格はオンロード指向が強くなった。テールゲートは電動開閉式を採用している。

走りの性格はオンロード指向が強くなった。テールゲートは電動開閉式を採用している。

ジープ グランドチェロキー リミテッド(エアサス仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4825×1935×1770mm
●ホイールベース:2915mm
●車両重量:2200kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3604cc
●最高出力:210kW<286ps>/6350rpm
●最大トルク:347Nm<35.4kgm>/4300rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●JC08モード燃費:7.7km/L
●タイヤ:265/60R18
●当時の車両価格(税込):523万円

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