2013年のN-BOXから始まったホンダ車のコンプリートモデル「モデューロX シリーズ」の第7弾にして最新バージョンとなるのがフィット e:HEV モデューロXとなる。その開発の方向性は「誰がどんな道で乗っても安心して気持ちよく走れる」である。(Motor Magazine 2021年9月号より)

ホンダ車を知り尽くしたエンジニアの手になる1台

モデューロXに驚かされることが多い。その想いが強くなったのはサーキット(袖ケ浦フォレストレースウェイ)でS660モデューロXバージョンZに試乗した時である。そもそも軽自動車でサーキットを走っても面白くないだろう、と思っていたのだが、その認識が間違っていたことに気が付くまで1周で十分だった。

「S660」の試乗後、開発者のひとりで走行性能担当の湯沢さんとその印象を話している時に、開発中のフィットの話になった。「フィットは、相当いいですよ」と、軽くそのパフォーマンスをほのめかしてくれたのだ。これは期待が膨らまないはずがない。

そんなフィット e:HEVモデューロX(フィット モデューロX)に試乗することができた。今回は開発ステージでもある群馬サイクルスポーツセンターでの試乗も用意されていた。これは自信の表れなのだろう。実際に走り出すと、今回も「S660」の時と同様に驚き、完成度に納得するまでそれほど時間は必要なかった。

前振りが長くなったが、フィット モデューロXを紹介しよう。そもそもモデューロXは、「ホンダ車を知り尽くした熟練のエンンジニアが、人の感覚にこだわり、ベースとなる車両をさらなる情熱をかけて磨き上げてきたコンプリートモデル」である。

画像: 専用テールゲートスポイラーやリアロアーディフューザーなどで直進性能を向上。

専用テールゲートスポイラーやリアロアーディフューザーなどで直進性能を向上。

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