博物館ではトヨタの歴史を祝した特別展を実施中
ル・マン24時間レースが開催されるサルト サーキットには、ル・マン24時間レース博物館が併設されている。1924年に優勝したベントレーからグループCカーのポルシェ 956やマツダ 787Bなど、レース好きにはたまらないマシンが常時120台ほどの車両が展示されている。
今回、TGRがこの博物館に寄贈したマシンは、2020年の第88回ル・マン24時間レースで、セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレーによって勝利を収めたTS050 ハイブリッド 8号車だ。
2021年のル・マン24時間レース開催を週末に控えた8月17日に寄贈式が行われ、TGR WECチームの村田久武 代表と、ACO(フランス西部自動車クラブ)のピエール・フィヨン会長が出席した(タイトル写真)。現在、館内ではル・マンにおけるトヨタの歴史を祝した特別展が実施されており、TS050 ハイブリッド 8号車はこの展示の目玉となるだろう。
最高出力は1000馬力の4輪駆動で、車両重量はわずか895kgのTS050 ハイブリッドは、究極のLMP1カーとして位置付けられている。2017年には小林可夢偉が3分14秒791、平均速度251.9km/hでル・マンにおける最速ラップを記録した。その後、TS050 ハイブリッドは4年連続でポールポジションを獲得し、2018・2019・2020年と3年連続優勝を成し遂げた。2019年にはマイク・コンウェイがTS050 ハイブリッド 7号車を駆って2位入賞した際、3分17秒297、平均速度248.6km/hというレース中での最速ラップを更新している。
ル・マン24時間レース博物館の特別展には、以下のようなトヨタのマシンが展示中だ。
●トヨタ 86C
1986年に中嶋悟/ジェフ・リース/関谷正徳が参戦した、レイトンハウス カラーのグループCカー。
●トヨタ TS010 33号車
1992年に関谷正徳/ピエール-アンリ・ラファネル/ケネス・アチソンが参戦し、2位に入賞したカシオ カラーのグループCカー。
●トヨタ 94CV 1号車
1994年にエディ・アーバイン/マウロ・マルティニ/ジェフ・クロスノフが参戦し、2位に入賞したLMP1の新規則に合わせて改造されたマシン。
●トヨタ スープラ LM 27号車
1995年にジェフ・クロスノフ/マルコ・アピチェラ/マウロ・マルティニが参戦したプロトタイプカー。
●トヨタ TS020 3号車
1999年に片山右京/鈴木利男/土屋圭市が参戦して2位に入賞したマシン。
●トヨタ TS030 7号車
2012年にアレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴が参戦した、トヨタ初のハイブリッド レーシングカー。
この特別展は、2022年2月20日まで開催されている。コロナ禍が収まってフランスへ行く機会があったら、ぜひ訪ねてみたいものだ。