「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ボルボ V60だ。

走りっぷりはセダンのS60より上かもしれない

画像: ドライブeのインテリア。インパネまわりのデザインはセダンのS60と変わらない。カーナビはオプション。

ドライブeのインテリア。インパネまわりのデザインはセダンのS60と変わらない。カーナビはオプション。

もちろん、そのあたりを割り切っただけのことはあり、運動性能は抜群だ。むしろ微振動などを感じないぶん、ダイナミック評価の高いS60より上だと感じられたほどだ。セダンよりも太いアンチロールバーなどが用いられていることもあり、ボディのしっかり度はあきらかにワゴンの方が上だ。

足が良く動いているのがドライバーに伝わってくる。ワゴンであることを忘れるくらい、ワインディングロードでも爽快に駆け抜けることができる。そんな爽快さは、好燃費&お手頃価格で人気になりそうな直噴1.6Lターボのドライブeでも十分に感じられる。箱根の急勾配の峠道でもパワー不足は感じないし、ハンドリングの物足りなさもない。

もちろんこういったシーンは、3L 直6ターボのT6 AWD Rデザインという、専用スポーツサスペンションに18インチタイヤが奢られた最強モデルの方が得意なのは言うまでもなく、何かに吸い込まれるようにグイグイと曲がるコーナリングを堪能させてくれるが、正直304psものパワーはどこで発揮したらいいんだ?というくらいパワフルすぎるので、逆に好みが分かれてしまうかもしれない。

ワゴンとして重要なリアシートの乗り心地も快適だし、当然のごとくシティセーフティやヒューマンセーフティなどの安全面や、より快適に走らせてくれるスタビリティコントロール類はS60同様に充実している。あらゆる面から太鼓判を押せる、現在のボルボではイチオシモデルといえるかもしれない。

画像: 3L 直6ターボ+4WDに内外装をドレスアップしたT6 AWD Rデザイン(599万円)の走りは豪快。予算に余裕があって、よりホットモデルを求めるなら、こちらを。

3L 直6ターボ+4WDに内外装をドレスアップしたT6 AWD Rデザイン(599万円)の走りは豪快。予算に余裕があって、よりホットモデルを求めるなら、こちらを。

■ボルボ V60 ドライブe 主要諸元

●全長×全幅×全高:4630×1845×1480mm
●ホイールベース:2775mm
●車両重量:1560kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ
●排気量:1595cc
●最高出力:132kW<180ps>/5700rpm
●最大トルク:240Nm<24.5kgm>/1600-5000rpm
●トランスミッション:6速DCT
●駆動方式:横置きFF
●JC08モード燃費:11.4km/L
●タイヤ:215/55R16
●当時の車両価格:395万円(税込)

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