121年前の創業者の予言が現実のものに
ロールス・ロイスもついに電動化へと舵を切った。ロールス・ロイス・モーター・カーズのCEO(最高経営責任者)トルステン・ミュラー・エトヴェシュは、ロールス・ロイス初となるBEV(電気自動車)「スペクター(Spectre)」の発表に際し、「1904年5月4日の創業以来、ロールス・ロイス・モーター・カーズにとって最も重要な日となります」と、その意義を高らかに語った。
その背景には、ロールス・ロイスと電気自動車との因縁がある。1900年4月に「コロンビア」と名付けられた、初期の電気自動車を体験したロールス・ロイスの創業者であるチャールズ・ロールズは、電気駆動こそが理想であると公言し、将来の自動車の電動化を予言していたのだ。
そしてスペクターの登場は、「2020年から2030年の10年以内に電気自動車を市場に投入する」と公言していたCEOの約束の履行でもある。
2023年第4四半期に市場投入が予定されるスペクターだが、現在400年間使用し続けることを想定した、世界250万kmを巡る試験走行が行われている最中だ。ロールス・ロイスの品質へのとてつもないこだわりを感じさせてくれる一事だ。なお、スペクターにはロールス・ロイス独自のスペースフレーム・アーキテクチャーが採用される。
公開された画像4枚を見ると、4ドアのファントムやゴーストのように後席の頭上空間を確保するための直線的で水平に近いルーフラインではない。レイスのように、クーペライクなラインを描くシルエットを確認できる。また、ドアミラー下にドアグリップを確認できることから、うしろヒンジタイプの2ドアクーペであることは間違いなさそうだ。
とはいえ、まだカモフラージュを施された状態。詳しい情報は今後の追加を待つしかないようだ。
ちなみに、スペクターの発表と同時にロールス・ロイスの全モデルが2030年までに電動化されることも公表されている。