「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ホシノインパルが手がけた日産 ジュークだ。

IMPUL ジューク(2011年:カスタムカー)

画像: WRCマシンを彷彿とさせる迫力あるスタイルに、走りも渾身のチューニングが施されたインパル ジューク。

WRCマシンを彷彿とさせる迫力あるスタイルに、走りも渾身のチューニングが施されたインパル ジューク。

日産車のチューニングを古くから行い、エアロパーツやアルミホイールを開発している、IMPULことホシノインパル(以下、インパル)。その総帥は、かつて「日本一速い男」と称された星野一義氏だ。

今回、インパル手がけたのはコンパクトSUVのジュークだ。それも、昨年(編集部註:2010年)11月に追加されたハイパワーバージョンの16GT FOUR。エンジンを1.5L NAから1.6L 直噴ターボに変更し、最高出力は190psを達成。シャシにはトルクベクトル付き4×4iという4WDシステムが与えられた。さらに4WDシステムを押し込む関係で、リアサスペンションはトーションビームからマルチリンクへと変更され、乗り心地や走りの質感も高まっている。

さて、インパルが手がけたジュークは、まず圧倒的に重厚さや安定感が備わっていることが分かる。フロントハーフスポイラーやサイドステップ、そしてリアのハーフスポイラーが低くドッシリとした印象を与えてくれる。また、20mmほどのローダウンを可能にするサスペンションと、245/40R19タイヤとホイールによる迫力もすごい。

さらにはフロントグリルをスッキリとした曲線を描くデザインにしながら、リアまわりにはWRカー並みのダブルウイングを備えている。インパルでは、かつて先代(編集部註:3代目)マーチでこのような大型ウイングを採用してヒットを飛ばしたことがあるが、それを彷彿とさせる存在感だ。

形状はジュークが持つ複雑なラインとのマッチングを計算し、下段の曲線を成形。下段にはLEDハイマウントストップランプが備えられ、ルーフにあったノーマルのハイマウントストップランプはカットされている。上段はルーフとほぼ同じ高さにセットされている。材質は上段がカーボンとなるタイプと、上下段ともにFRPのものが用意されている。ここまで大きなウイングだと後方視界が気になりそうだが、実際に運転席から確認してみるると、装着していることを忘れるほど視界はしっかり確保されている。

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