300系ランドクルーザーをベースに、上質さを磨き上げた唯一無二のSUV
LXは、レクサスのフラッグシップSUVだ。初代は1996年に北米で発売され、今回の新型で4代目にあたる。日本では2007年に発表された従来型の3代目が2015年にマイナーチェンジされたときから販売されている。2021年8月末時点で、世界の約50カ国で累計約50万台を販売している。
新型LXは歴代モデルと同様にランドクルーザーとプラットフォームを共有している。今回の新型も、2021年夏に日本で発売されて人気を博している300系ランドクルーザーと同様、伝統のボディオンフレーム構造を維持しながら、新GA-Fプラットフォームの採用や約200kgの軽量化、デジタル開発による高剛性ボディの実現などを通じ、クルマの素性を刷新している。
新型LXの特徴をまとめていくと、以下の6点が挙げられる。
<1>上質な走りへの進化を実現した素性の刷新
前述のように、GA-Fプラットフォームをレクサス車では初採用。慣性諸元を追求し、質量の大きなエンジンユニットをエンジンルームのより後方に配置することで、車両の前後重心位置を最適化している。エンジンについて後述するが、V6ツインターボへのダウンサイジング化や新AHC(アダプティブ ハイトコントロール サスペンション)の軽量化に加え、ルーフ素材を軽量のアルミニウムへ置換するなど、徹底した低重心化と約200kgの軽量化を達成している。
<2>レクサス ドライビング シグネチャーを追求したオンロード走行性能
エンジンは従来型の5.7L V8から新開発の3.5L V6ツインターボへ換装。これは300系ランドクルーザーのものと同じで、最高出力415ps/最大トルク650Nmというスペックも変わらない。だが、現段階ではランドクルーザーには搭載される3.3L V6ディーゼルエンジンは設定されていない。
パワーステアリングは従来の油圧式からモーター+減速機を用いた電動パワーステアリング(EPS)を新採用。また、ボディへの構造用接着剤の採用などにより、ステアリング操作やアクセル操作に対する素直な応答性を実現している。
<3>磨き上げられたオフロード走行性能
悪路走破性と上質な居住空間を実現するため、2850mmのホイールベースは初代から継承しており、対地障害角(アプローチアングル/デパーチャーアングル/ランプブレークアングル)は従来型と同等としている。また、6つのモードから選択できるマルチテレインセレクトや極低速走行が可能なクロールコントロールの進化に加え、デュアルディスプレイはマルチテレインモニターになるなど、オフロードでの運転を支えるさまざまな最新技術を導入している。