メルセデス・ベンツの販売の中核を担うDセグメント、Cクラスがフルモデルチェンジ。セダン/ステーションワゴンすべてのグレードのパワートレーンが電動化された。その中でも今回はISG搭載のMHEVモデルC200を試乗し、実力を確認した。(Motor Magazine2021年12月号より)

先進のADAS、コネクティッド機能を搭載

画像: 新世代デザインではメディアディスプレイが中央に配置され、その下に必要最低限のスイッチが備わる。

新世代デザインではメディアディスプレイが中央に配置され、その下に必要最低限のスイッチが備わる。

1980年代にデビューしたメルセデス初の5ナンバー車であり、「小ベンツ」として親しまれた190E(W201型)から数えて6世代目となるCクラスが日本市場へ導入された。

ラインナップは、ISGを組み合わせた1.5L 直4ターボエンジン搭載のC200(セダン/ワゴン)と2L 直4ディーゼルターボエンジン搭載のC220d(セダン/ワゴン)、そしてPHEVの350e(セダン)である。

エクステリアは、エンジンフードにパワードームが採用され、迫力ある表情になった。リアコンビランプは、Cクラスセダンとしては初採用となるSクラス譲りの三角形で横長デザインの2分割型リアコンビネーションランプ、さらには「キャットウォークライン」も採用されている。ボディサイズは従来より、全長+80mm(4785mm)、全幅+10mm(1820mm)、全高+5mm(1435mm)、ホイールベース+25mm(2865mm)と少し拡大された。

インテリアは、12.3インチのコックピットディスプレイ、運転席側に約6度傾けられた11.9インチの縦型ディスプレイなど、Sクラスに近いメルセデスの新世代デザインが採用される。

さらに新世代のレーダーセーフティパッケージやウルトラハイビーム付きデジタルライト、MBUX AR(オプション)なども採用され、機能も最新版となっている。またステアリングホイールには各種設定やADASの設定などができる多彩な機能が割り当てられ、それらの設定がすべて手元で操作できるようになっている。

ISGの搭載で走りは軽快。ハンドリングもダイナミックだ

画像: エンジンと9速ATの間に配置されるISGは、先代に搭載されたBSGに比べより強力で高効率となる。

エンジンと9速ATの間に配置されるISGは、先代に搭載されたBSGに比べより強力で高効率となる。

今回は、C200アバンギャルドAMGライン装着車に試乗した。搭載エンジンは従来同様1.5L 直4ターボだが、型式は「M264型」から「M254型」に変わり、最高出力/最大トルクも184ps/280Nmから204ps/300Nmへと向上している。モーターの出力も従来の10kWから15kWにアップし、WLTCモードの燃料消費地率も12.9km/Lから14.5km/Lに向上している。

小回り性能は向上した。最小回転半径が従来型の5.3mから新型は5.2mとなった。さらにオプションだが、約60km/h以下でフロントホイールと逆方向に、約60km/hを超えるとフロントホイールと同方向にリアホイールを2.5度傾けるリアアクスルステアリング(14万5000円)の装着車の最小回転半径はなんと5.0mとなり、Dセグメントの中ではトップクラス、コンパクトカー並みに小回りが効く。これは日本の道路環境ではかなりメリットが大きいのでぜひとも選びたい装備だ。

走りはとても軽快だ。軽くアクセルペダルを踏むとスルスルとクルマが動き出す。1700kgの車両重量をまったく意識させない。これには、エンジンとトランスミッションの間に配置されるISGが大きく貢献している。瞬時に最大20ps、200Nmのブーストが可能となり、さらに変速ショックやアイドリングストップからの再始動時の振動も低減されている。

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