クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車ボルボV60 B4モメンタムを紹介していこう。今月は、これまでより燃費がよくない。梅雨入り&気温上昇という季節的要因だけでなく、街中を走りまわる取材の機材車両として活躍したことも大きい。そこで、今回はいままで5カ月分の燃費を振り返ってみようと思う。(Motor Magazine 2021年9月号より)

V60 B4モメンタム、約3400km分の燃費は?

はじめに5カ月分の燃費を書き出すと、3月は13.7km/L、4月は15.4km/L、5月は16.8km/L、6月は15.9km/L、7月は14.9km/L。トータル燃費は15.2km/Lとなった。

まるでストロングハイブリッド車のような数値だが、B4は48Vマイルドハイブリッドだ。197ps/ 300Nmを発生する2L 直4ターボエンジンと、車両重量1710kgの組み合わせから想像していたものよりはるかにいい。

これは全走行距離のうち7〜8割を高速道路で走行していることも大きな要素だと言えるが、このトータル燃費はWLTCの高速道路モードと「まったく同じ」という点に驚かされた。さらに言うと、条件さえ整えば高速道路だけなら20km/Lを超えることも可能だ。

そもそもB4のエンジンは構成するパーツの90%が新設計された、ほぼ新開発のもの。低フリクション性能に優れた内部表面加工を施すことで高効率を実現している。その効果は走行中にアクセルペダルから足を離せばわかる。エンジンブレーキの効きが弱く、下り坂でシフトダウンして速度を緩めようと思っても想定より減速しない。それほどパワートレーン系の効率化が図られているワケだ。

いかに低燃費で走るか。

そのV60 B4でいかにして低燃費を叩き出すか、これまでゲーム感覚でエコランを試してきた。

高速道路を走行中によく使うのがフリーホイール機能だ。これは、ドライブモードを「ECO」にして、65〜140km/hの速度域で、エンジンとトランスミッションを切り離して惰性走行する機能、いわゆるコースティングである。下り坂を利用すればアイドリング程度の燃料消費で速度維持できる。

画像: フリーホイールが働くとメーターに「COASTING」の文字が表示される。右下の燃費にもご注目。

フリーホイールが働くとメーターに「COASTING」の文字が表示される。右下の燃費にもご注目。

もうひとつが、B4/B5の登場と同時に採用された気筒休止システムだ。アクセルペダルを踏む量を一定にすることでエンジンの2気筒が機能停止し、瞬間燃費の数値も跳ね上がる。残念なことは「機能している」ことを表示しないという点だ。安全性を考慮して、メーターに目線を集中させないための配慮かもしれない。

気筒休止というと高速道路でのクルージングをイメージするかもしれないが、ボルボのそれは3000rpm以下で30〜160km/hの範囲で機能するため、一般道でも十分に効果を発揮してくれるはずだ。一般道での燃費も今後確認したいと思っている。(文:Motor Magazine編集部 蔭山洋平)

■第5回/2021年6月18日〜7月19日(5カ月目)のデータ
・オドメーター:1万2881km
・走行距離:3405km
・給油量:229.2L
・実燃費:14.9km/L

ボルボ V60 B4モメンタム 主要諸元

●全長×全幅×全高:4760×1850×1435mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:1710kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1968cc
●最高出力:145kW(197ps)/4800-5400rpm
●最大トルク:300Nm/1500-4200rpm
●モーター最高出力:10kW/3000rpm
●モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・60L
●WLTCモード燃費:12.8km/L
●タイヤサイズ:225/50R17
●車両価格(税込):499万円

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