フルモデルチェンジされたシトロエン C4は、見かけはコンサバティブでも中身はアバンギャルドだった【10年ひと昔の新車】

評判の悪かった4速ATは、かなり改善されていた

上級グレードのエクスクルーシブから試乗したが、こちらにはさらにユニークな装備がついてくる。たとえば、簡単なマッサージ機能を持たせたアクティブランバーサポート。腰、背中と順番にランバーサポートを膨らませて押してくれるので、長距離ドライブの気分転換にもなりそうだ。助手席にも装備されているのは、さすがエスコート慣れしているお国柄だろう。

また、ウインカーを出しながら空いているスペースの横を通ると、縦列駐車できるか否かの距離を測定してくれるパーキングスペースセンサーなんていう機能も備わる。もっとも自動的に駐車まではしてくれないところが、自己責任の国らしい。

おもてなし度の高いエクスクルーシブだが、さすがターボモデル、踏んでいけば素早い。とはいえギンギンのスポーツ系ではなく、MTモードに入れてレブリミッターに当たるまでエンジンを回すと、タコメーターが赤く光るなどという演出が用意されていたりと、どこまでもユニークさを忘れていないのがいい。

ちなみに、EGS（エレクトリック ギアボックス システム）と呼ばれる6速AMTはシングルクラッチだが、発進時以外はシフトショックは少なめ。その分、レスポンスはあまり良くないのが残念なところだ。

その点NAモデルの方は「またあのAL4（4速AT）か・・・」と、正直スペック的にはガッカリさせられるのだが、延々と改良されているだけのことはあり、意外と悪くない。パワー的にも不足はないし、サスペンションはかつてのシトロエンのようなハイドロニューマチックではないが、それに近い乗り心地もシトロエンらしい。燃費はAMTよりは少し劣るものの、街中で普通に乗るならばコチラがオススメだ。

■シトロエン C4エクスクルーシブ　主要諸元

●全長×全幅×全高：4330×1790×1490mm
●ホイールベース：2610mm
●車両重量：1370kg
●エンジン種類：直4 DOHCターボ
●排気量：1598cc
●最高出力：115kW＜156ps＞／6000rpm
●最大トルク：240Nm＜24.5kgm＞／1400-3500rpm
●トランスミッション：6速AMT
●駆動方式：横置きFF
●JC08モード燃費：13.1km／L
●タイヤ：225／45R17
●当時の車両価格（税込）：299万円

シトロエン C4（2代目）9