フォルクスワーゲンの主力モデルであるポロがフェイスリフトを受けた。エクステリアにはゴルフに通じる最新のデザインと機能が与えられ、これまで以上に強い商品力を獲得している。(Motor Magazine 2022年1月号より)

特筆すべきは電動パワーステアリングのスムーズさ

テスト車のエンジンは1L 直3ターボで最高出力70kW(95ps)、最大トルク175Nmを発生する。そしてトランスミッションは5速MTであった。メーカー発表によるダイナミック性能は0→100km/hは10.8秒、最高速度は187km/hである。実は、日本仕様に近いモデルを希望したのだが、例の半導体不足の影響でこの仕様が届いてしまったのだ。

実車のエクステリアの印象はまさにゴルフを彷彿とさせる。インテリアのトリムを見渡しても若干のハードプラスチックを除けば相変わらずワンランク上の高い品質で満足度は高い。

画像: メーター表示やインフォテインメントシステムなどの機能性はゴルフと遜色ない。

メーター表示やインフォテインメントシステムなどの機能性はゴルフと遜色ない。

走り出してすぐに、エンジンの特性にマッチしているとは言えない5速MTのギア比に不満を覚えた。全体にワイドレンジで、さらにトップギアの5速はまるでエミッション重視のようなオーバードライブなので4速で目いっぱい加速して、よほどのスピードにならないとスムーズな巡航ドライブへ移れない。唯一の救いはシフトフィールがスムーズでメリハリのある操作感だったことだ。

一方、操舵感はコラムタイプの電動パワーステアリングにもかかわらずイナーシャ(慣性)を感じさせないスムーズなもので、ノーズは舵角に応じた方向へ素直に進んでゆく。さらに試乗車には「IQドライブトラベルアシスト」と名付けられたオプションのドライバーアシストシステムを搭載しており、ACCとレーンキープアシストにより巡航時から渋滞時のストップ&ゴーまで、上級モデル並みにリラックスして運転できた。

今回のテストでは試乗車の非力なエンジンと5速MTのおかげであまり良い印象を得ることはできなかった。欧州ではこの仕様でも使えるが、日本市場では110ps仕様と7速DCT(DSG)の組み合わせが最低の条件だろう。さらに間もなく内燃機関が終焉を迎えるのであれば、近いうちに発売される207psの4気筒エンジンと7速DCTを搭載したポロGTIを楽しむのも悪くはない。(文:木村好宏/写真:フォルクスワーゲンAG)

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