トヨタの超小型BEV(電気自動車)、C+pod(シーポッド)が、2022年から一般ユーザーに向けて販売される。最高速60km/h、2人乗りの超小型モビリティとはどんなクルマなのか。(Motor Magazine 2022年1月号より)

ドリンクホルダーやオープントレイを装備

トヨタが法人ユーザーや自治体などに向けて2020年から限定販売している2人乗りの超小型モビリティ、C+podが2022年に一般ユーザー向けにも販売される。

超小型モビリティとは、コンパクトで環境性能に優れ、地域の手軽な移動手段となる車両のこと。道路運送車両法上はボディサイズや出力に応じて3つの区分に分かれており、C+podは軽自動車(型式指定車)扱いで、黄色ナンバーが装着される。

ボディサイズは全長2490×全幅1290×全高1550mmで、現在の軽自動車規格より全長は910mm短く、全幅は190mm細い。そのサイズは普通車1台分の駐車スペースに2台置けるほどコンパクトで、最小回転半径も3.9mと小回りも効く。

これだけコンパクトだと気になるのは室内空間だが、身長180cmの筆者が乗り込んでも自然なドライビングポジションが得られるほど快適。室内幅も1100mmあるので大人2人が十分に座れる。室内にはドリンクホルダーやオープントレイなどの収納もあるので使い勝手も悪くない。

画像: キャビンは全車ブラックで、5色の2トーンカラーを設定。オプションで3トーンカラーも用意する。

キャビンは全車ブラックで、5色の2トーンカラーを設定。オプションで3トーンカラーも用意する。

リアに搭載されるモーターは最高出力12.5ps、最大トルク56Nmと控えめ。しかし、実際に走り出すと、車両重量が690kgと軽量なのでアクセルペダルを踏み込むと想像以上にスムーズな加速を見せる。なお最高速度は60km/hに定められている。

フロア下に搭載するバッテリー容量は9.06kWh。AC200Vの普通充電で5時間ほどで満充電となり、約150km走ることができる。バッテリーに蓄えた電力は、非常用の電源として使うことも可能だ。

安全面では、超小型モビリティ用の安全基準に対応した衝突安全ボディを採用し、プリクラッシュセーフティやインテリジェントクリアランスソナーなども装備。小さいからこそ、安全性を追求している。

現在、訪問医療や宅配サービスの現場など法人利用が中心になっているC+podだが、自宅に充電設備があり、スマートで個性的なセカンドカーが欲しいという人にはうってつけのモデルといえる。(文:Motor Magazine編集部 中村圭吾/写真:井上雅行)

画像: シートはスライド、リクライニング機能付きで最適なポジションが確保できる。シートヒーターも備わる。

シートはスライド、リクライニング機能付きで最適なポジションが確保できる。シートヒーターも備わる。

トヨタC+pod(シーポッド) 主要諸元

●全長×全幅×全高:2490×1290×1550mm
●ホイールベース:1780mm
●車両重量:690kg
●モーター:交流同期電動機(1RM)
●モーター最高出力:9.2kW(12.5ps)
●モーター最大トルク:56Nm
●バッテリー総電力量:9.06kWh
●WLTCモード航続距離:150km
●駆動方式:RWD
●タイヤサイズ:155/70R13
●車両価格(税込):171万6000円

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