クーペフォルムでも後席空間に妥協なし
ルノー アルカナはまったく新しいSUV。そのプラットフォームはルノーと日産が共同開発したCMF-Bだから、ルノーのコンパクトSUVであるキャプチャーと基本は同じということになる。ただし、アルカナは全長で30cm以上、ホイールベースでも8cmほどキャプチャーを凌いでいるので、サイズ的にはBセグメントとCセグメントの中間、もしくはいくぶんCセグメントよりに位置づけられるだろう。
このアルカナ、2022年には日本でも発売されるが、それに先立ち、プリプロダクションモデルの試乗会が国内で催された。ただし、正式発表前なので富士スピードウェイの特設コースでのみの走行が許されたことをあらかじめお断りしておきたい。
外観には最新のルーテシアやキャプチャーに通ずるデザイン言語が用いられているが、ユニークなのはルーフ後端が徐々に下降するクーペSUVのフォルムとされたこと。すでにやや見慣れた感のあるクーペSUVだが、量産メーカーがこの種のボディ形式を製品化するのは世界初だとルノーは主張している。
運転席に腰掛けると、SUVらしい見晴らしのよさが得られ、全長4670mm/全幅1820mmのボディは隅々まで神経が行き届くサイズ感のため、市街地でも持て余すことはなさそう。普段づかいにはピッタリのSUVといえるかもしれない。
クーペフォルムを採用したことで心配となるのは後席のヘッドルーム。身長171cmの私が腰掛けた状態で7cmほど。このクラスとしてはごく標準的なスペースだし、狭いとはまるで感じない。それ以上に印象的だったのがひざ周りの空間で、前席との間に20cm近いスペースが残されていた。ちなみに荷室容量は480L。しかも奥行きに余裕があるため、ラゲッジスペースとしての使い勝手はよさそうだ。