実に滑らかなアイサイトXのハンズオフ走行
こうしたコンフォート性を感じられるのは乗り心地だけではない。一般的に「スポーティなステーションワゴン」であればシート位置を低く、足を投げ出すようなドライビングポジションをとることになりそうなものだが、レヴォーグのシートは意外にもアップライト気味に、また座面が少し高めに設定されているのだ。
これによりコクピットからボンネットをしっかり見ることができるためフロントの先端を、そして従来より広くなった1795mmという全幅を把握しやすくなっている。もしも家族に運転を苦手にする人がいても、この特性は嬉しい配慮になるはずだ。
アイポイントの高さに加えて、外観からもわかるとおり、前面3枚のガラス、フロントガラスとサイドウインドウの面積を広く設計されていることで視界が広く、とても開放的だ。少し残念なのは、メーカーオプションにサンルーフが設定されていないことだ。近年、換気の重要性や遮熱と断熱に優れたガラスの登場など、さまざまな理由により採用するモデルが増えつつあるというから、開放感あるレヴォーグに設定されればその魅力をさらに高めてくれそうだ。
コンフォート性で見逃せないのは、グレード名に「EX」とあるモデルに標準採用されているアイサイトXだ。高速道路や自動車専用道路を渋滞によって0〜50km/hで、ACCを起動させて走行していればハンズオフ走行もできるというもの。その制御が、とにかくコンフォートなのだ。
高精度の3D地図データとGPSを組み合わせることで、道の先にコーナーがあるとその手前で、弧の大きさに合わせて減速、さらに停車や発進をする時に「カックン」とならないよう滑るように動く。まるで丁寧な運転のお手本を見せつけられているようだった。家族5人で100kmほどドライブした時には、普段昼寝をしない小学生ふたりも寝てしまっていたのできっと心地良かったのだろう。
注意しなくてはならないのは、GPSの電波が届かないトンネルや、3D地図データのない新しい道路で渋滞時ハンズオフアシストを使用できないことだ。
ちなみに、この原稿を書いている11月24日現在、スバルのHPに「現行モデルは生産終了」と表示されていたが、これは年次改良を予告するもので、11月25日にデビュー2年目のB型が登場する。どんな進化をするのか、また2.4Lの新エンジンの追加も楽しみである。(文:Motor Magazine編集部 蔭山洋平)
※追記(2021年12月15日):2021年11月25日の年次改良でサンルーフがオプション設定されました。
■2021年10月11日~11月15日の走行データ
・開始時の走行距離:1万0072 km
・終了時の走行距離:1万4000 km
・走行距離:3928km
・給油量:307.1L
・実燃費:12.8km/L