単走から夢の混走、そして迫力のピットストップまで!
AM11:30のオープニングセレモニーで幕を開けたRed Bull Race Dayは、まず4名のドライバーとライダーがホンダの軽スポーツカーS660に乗ってパレードしながら登場。その後、ドライバーやマシンの紹介、今回走行するテクニカルな公道コースの解説、レッドブルのビデオショーが続き、会場の雰囲気がさらに盛り上がる。
そしてPM12:30にショーランが開始。まずは笹原がドライブするRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTがコースを1周し、続いて大湯にドライバー交代して1周した。
その後、大津がステアリングを握るRed Bull MUGEN TEAM Gohのスーパーフォーミュラマシンがコースを2周し、続いて中上のRC213V-Sがコースを疾走。当初2周の予定だったが中上のファンサービスによってもう1周、計3周が行われ会場は大いに沸いた。
1台ずつの走行が終わると、神宮外苑の噴水前エリアで「PIT STOP SHOW CASE」と題されたピットストップパフォーマンスが実施され、ファンの目の前でRed Bull MUGEN NSX-GTとスーパーフォーミュラマシンのタイヤ交換が行われた。ここでは普段近くで見ることができないピットストップの素早いタイヤ交換に驚かされ、ピット作業完了後のスタートでは迫力のホイールスピンによって白煙が上がるなど、ファンは大興奮となった。
イベントの最後には2台、そして3台が同時に特設コースを駆け抜け、Red Bull Race Dayは興奮冷めやらぬ中、幕を下ろした。
「こういったイベントを続けていかなければいけない」
イベント終了後、Red Bull MUGEN NSX-GTの走行を担当した笹原右京は、「多くの人にモータースポーツっていうものを五感を通して伝えられたかなと思います。こういったイベントを続けていかないといけないと、今日一日改めて思いました。より多くの人がサーキットに来てくれるようにいろんなことを発信していかなければいけないなと認識しましたし、東京の真ん中でこのようなイベントを実現してくれたことに感謝します」とコメント。
大湯都史樹は「これまで『知ってもらう』という点が欠けていたと思います。今回のようにサーキットから一歩離れたところでイベントをすることで、モータースポーツに興味を持ってもらうきっかけになったり、これが刺激になってサーキットで今以上に楽しめるコンテンツが増えて、どんどん活性化していくかもしれません。そういうことに僕も貢献したい」と語るなど、選手たちの競技の普及に対する気持ちを垣間見ることができた。
サーキットに「わざわざ」行かなければいけないのがモータースポーツ。認知してもらうには、普段の生活の中でいかにレースを身近に感じてもらうかが重要となる。今回は新型コロナウイルス感染対策により人数制限を設けられたが、4000人もの人が集まった。こうした来場者だけでなく、近くを歩いていた人、クルマで通りかかった人ですらも耳で聞けばモータースポーツが身近なスポーツであることを感じてくれたはずだ。これこそが都心でイベントを開催する意味なのかもしれない。(文・写真:河村大志)