悠久の大地、初夏の大北海道大陸のクルマ旅第3話は、森とアートの街、下川町よりオホーツク海を目指すが、その道すがら、不思議なエニシに巡り会う! 気の向くままに走り抜いた12日間のクルマ旅! 果たしてその結果は如何に!
朽ち果てた門柱を発見
しばらく進んだ道中、紋別郡雄武町の上幌内山の里パーキングにて濡れたシャツを脱ごうと小休止。
30余年愛用し、熱で歪に変形したミロのパーコレーターで湯を沸かして、珈琲タイムとする。
移動中はひいた豆をパーコレーションさせるのが面倒なので、ミロからはバスケットを外し、単純にヤカンのように用いているボク。
20度に満たない気温のせいか、インスタントの珈琲でもすこぶるウマイ。ズズズ!とそれをすすりつつ、ふと周囲を見渡すと、忽然とそそり立つ朽ち果てたた門柱を発見・・・。
ひび割れて日に焼けた銘板には上幌内中学校と記されていた。
かつて校舎があったであろう草原を見渡しながら珈琲を飲み干し、ここには元気な児童達の声が響き渡っていたのだな・・・と、そんなことを思うと感無量である。
門柱に手を掛けると、経年劣化したコンクリートは何故か温もりがあるように感じられた。
その後、再び道道60号をゆるゆると進み、初夏のオホーツク海を目指す。
道すがら、以前訪れたことがある川を覗いてみようと小路に逸れる。この先のドンツキには、素敵な流れと瀟洒な小屋があるのだ。
小屋の前の広場に着くと初老の御仁が作業に勤しんでおられた。
「こんにちは、氏江さんですか・・・?」
ボクがそう訪ねると、御仁はちょっと驚いた様子だったが、ニッコリと微笑んで、
「立ち話はなんですから、作業も終わったところだし、どうぞどうぞ」
と、薄汚れたボクを快く迎えて下さった。
初対面にして、何故ボクは御仁のお名前を知っていたのか、そしてこの御方はどなたなのか? この不思議なエニシの謎解きは、次回に続く・・・!
良き旅と出会いを。
ラヴ&ピース。