「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ルノー トゥインゴ ゴルディーニRSだ。

パッケージングの良さはノーマルと変わらない

1.6Lエンジンは、スペック的にはそこそこながら、1100kg㎏あまりの軽量なボディを引っ張るには十分な速さを持っている。左ハンドルのみの設定だが、やっぱりMTは右手でシフトチェンジしたほうが楽しいと個人的にはあらためて感じた。ショートストロークでガシッとしたシフトフィールも心地良く、クラッチの踏力も適度に軽く、扱いやすい。

画像: 2本ストライプがセンターポイントのステアリングホイール、その奥のタコメーターなど、インテリアも専用アイテムを満載。左ハンドル+5速MTのみ。

2本ストライプがセンターポイントのステアリングホイール、その奥のタコメーターなど、インテリアも専用アイテムを満載。左ハンドル+5速MTのみ。

惜しいのは5速であること。全体的にローギアードな設定なのはよしとしても、5速の100km/hで3100rpmを超えてしまうので、もう1速あるとありがたいところ。このクルマの数少ない不満点のひとつとして挙げておこう。

それでいて実用性が高いところもトゥインゴの美点だ。見た目のコンパクトさからイメージするよりも室内はずっと広く、4人の成人男性が大きな不満なく乗れるパッケージングの巧さにあらためて感心させられた。

とくにリアシートは、サイズが大きく、クッションもたっぷりと確保された、しっかりとした作りとなっている。しかも、左右で独立して前後スライドできるようになっていて、必要に応じて荷室を拡大することもできる。頭上空間も、身長180cmの人が乗ってもそれほど窮屈そうではない。外から見ると小さなクルマだが、小さいがゆえに室内の広さがよけいに際立って感じられるという印象だ。

そうした一面もありながら、前述のとおり、見ても乗っても楽しいクルマに仕上がっている。しかも税込みの車両価格が245万円というのは、内容を考えると、とても割安感があるといえるだろう。

現行トゥインゴは今後(編集部註:2011年当時)、そう長く売られるクルマではないので、このゴルディーニRSが、おそらく最後のスペシャルバージョンとなるはず。限定車ではないものの、急がないといつのまにかフェードアウトしてしまうかもしれない。そうなる前に手に入れておくべき価値のある1台だ。味わい深いフレンチ ホットハッチを、ぜひ堪能して欲しい。

画像: 外寸はトゥインゴ ルノースポールと同じだが、専用色のブルーマルトや2本ストライプが「やる気」を感じさせる。

外寸はトゥインゴ ルノースポールと同じだが、専用色のブルーマルトや2本ストライプが「やる気」を感じさせる。

■ルノー トゥインゴ ゴルディーニRS 主要諸元

●全長×全幅×全高:3610×1690×1460mm
●ホイールベース:2365mm
●車両重量:1120kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1598cc
●最高出力:98kW<134ps>/6750rpm
●最大トルク:160Nm<16.3kgm>/4400rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:横置きFF
●タイヤ:195/40R17
●当時の車両価格(税込):245万円

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