「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、プジョー 508だ。
プジョー 508(初代:2011年)
プジョーのフラッグシップが「508」に進化した。新しいプジョーデザインを採用した初の量産モデルで、ダウンサイジングエンジンを搭載。セダンと、ワゴンのSWが同時に日本デビューを果たした。
508は、これまでのアグレッシブなプジョー デザインから一転、エレガントで美しい新世代デザインに変身した。ボディバリエーションはセダンとワゴンのSWがあり、いわゆるDセグメントのアッパーミドルクラスに属する上級モデルだ。全長は4.8m近く、全幅も1.85mを超えるボディサイズはけっこう大きいが、デザインの妙から威圧感はなく、おとなしい佇まいで好感が持てる。
このサイズだと従来は2L以上のエンジンを搭載しているのが普通だが、日本仕様の508ではプジョーのダウンサイジング戦略に則って1.6Lのガソリンターボを搭載する(本国にはディーゼルターボもラインナップされている)。
このエンジンはCセグメント ハッチバックの308などに搭載されているものと共通だが、508に合わせたチューニングがなされている。トランスミッションも日本仕様はアイシン製の6速ATとなり、プジョーらしい乗り心地や、クラスにふさわしいパファーマンスと質感を標榜する。
日本仕様ではセダンのエントリーグレードとなる「アリュール」でもカーナビが標準となるなど、装備についての不満はない。それでいながら374万円というプライスは、なかなか買い得感の高い設定といえるだろう。