8人乗りはS-Gだけの特典装備。セットオプションで快適性、利便性はS-Zなみに
一方、有無を言わさずS-Gを選ばざるを得ない「どうしても欲しい装備」が、8人乗りセカンドシートだ。60:40分割のチップアップ機能を持ち、超ロングスライドも可能と、キャプテンシートとはまた違った優れたユーティリティ性能を実現している。S-Gではこちらが標準で、別にパッケージオプションとして7人乗りセカンドシートの設定がある(-2万2000円)。
とはいえS-GはS-Zに比べると、内装の一部パーツが廉価版となっていることには納得することが必要。ハイブリッド専用のオプティトロンメーター内のマルチインフォメーションディスプレイは、S-Zの7インチに対して小ぶりな4.2インチTFTカラーとなる。またソフトレザーやステッチ、シルバー塗装の加飾といった素材でも差別化が図られているため、質感についてはやや見劣りしてしまう。
細かいところを見てみると、標準仕様では後席向けの空調がヒーターのみになってしまうあたりも、多人数乗車が多いファミリーユースなどでちょっと気になるところだろう。
ただし、ご安心あれ。そうした快適性、使い勝手の部分についてはかなりのアイテムがセットオプション「快適利便パッケージ(Mid)」(17万2700円~17万8200円)としてフォローされている。左右独立温度コントロールフロントオートエアコンとリアオートエアコン、快適温熱シートなどを装備することは可能だ。
エアロ系にはもうひとつのお楽しみ「MODELLISTA エアロパーツセット」がある
最後にもうひとつ、ノア エアロモデルとヴォクシーを選ぶお楽しみを紹介しよう。それは、一部商品を除いてS-Z、S-Gにのみ対応する「MOEDELLISTA エアロパーツセット」だ。
サイドスカート、リアスカート、イルミルーフスポイラーはノア エアロスタイル/ヴォクシーで共通のデザイン。一方でフロントグリルやバンパーボトム部に装着されるスポイラーは、ノア/ヴォクシーそれぞれの個性に合わせてデザインされている。
ノア用キットのコンセプトは「Brand new Elegance」で、精悍さとエレガンス感を強調。「Sharp×VLAOUR」を謳うヴォクシー用は、メッキ加飾を施すことで、ワイドアンドロ―なスタンスと上質感とを高めてくれる。
各パーツは単品としての購入も可能だが、ノア/ヴォクシーともにセットも用意されている(価格は同じ)。キットの最小構成はフロントスポイラー、サイドスカート、リアスカートの3点キットから。フルキットとしては、ノアがフロントグリルキット/シグネチャーイルミブレード/イルミルーフスポイラーを加えた6点セット、ヴォクシーがシグネチャーイルミグリル/イルミルーフスポイラーを含む5点セットとなる。
おまとめ。は、なかなか難しい
多彩なオプション、豊富なカスタマイズアイテムなど、新型ノア/ヴォクシーはオーナーの好みに合わせてさまざまなコーディネイトが楽しめそう。だからこそ、どれがベストでどれがベターか、というおまとめ的な結論はなかなか出しにくい。
とはいえ要はどんなノアが欲しいか、どんなヴォクシーに乗りたいか、をはっきりさせてチョイスに臨むことが大切。カッコや使いこなし方など、選ぶ側の「目指すスタイル」がはっきりしていれば、意外にストンと「最良の1台」に絞ることができそうだ。(文:Webモーターマガジン編集部 神原 久)