「このまま市販できそう」なスポーツモデルが再登場
2016年のジュネーブショーにおいて、DSオートモビルズは1台のスタイリッシュなスポーツコンセプトを出品し、話題を集めた。
「E-Tense」と名付けられた2シータークーペはミッドシップライクなフォルムを持ちながら前後に電気モーターを搭載した4輪駆動モデルである。最高出力402ps/最大トルク516Nmから最高速250km/h、0→96mph(約155km/h)加速4.5秒という高性能ぶりを発揮していた。
デザイン性はもとより細部の仕上げに至るまで「このまま市販できそう」な完成度を誇ったが、結局、市販化にまつわるニュースは現在に至るまで発表されていない。ただし、そのネーミングはDS3やDS7の電動化モデルへと受け継がれ、デザインもフロントまわりのアレンジなどが「新世代DSの顔」として定着している。
もはやハイスペックなスポーツモデルとしての市販化は夢のまた夢・・・かと思われたE-テンスだが、ここへきて再びピュアスポーツカーへの道を模索しはじめた、ということだろうか。2022年に復活した「E-テンス パフォーマンス」は改めて、マッシブな2シータースポーツクーペとして登場した。
NFTのオークションモデルは、0→100km/h加速がわずか2秒
エクステリアデザインを見れば、E-テンス パフォーマンスはかつての「コンセプト」よりもさらにコンセプトカー的だ。
全体のシルエットやフェンダーまわりのアレンジ、リアビューなど、基本デザインはコンセプトを受け継ぐ。一方で大胆にカットされたヘッドライトまわりなどは、あえて「ショーカー」的にふるまっているようにも見える。
ボディサイズなど細かい情報は極めて限られており、明らかになっているのはほんのわずか。カーボンモノコックに前後2モーターを搭載した4WDで、システム最高出力は815ps、最大トルクは実に8000Nm(入力ミスではない)に達するという。
バッテリーEVとしてのイノベーションを感じさせるのは、ツインモーター、バッテリーなどのソリューションだろう。それらは、フォーミュラEで得られた経験と知見をもとに開発された。サスペンションジオメトリについても、レースシーンで磨かれた極上のグリップ性能が達成されているという。
市販についてはまったく触れられていないものの、NFT(非代替性トークン)としてオークションに出品されることが決定している。「100 DS E-TENSE PERFORMANCE 100 Series – 100% Electric」と名付けられた販売モデルに至っては、0→100km/hがわずか2秒と謳われている。