Z31型フェアレディZは1983年に登場した。初代のS30型は名車の誉れが高かったが、2代目のS130型は、ラグジュアリーさが増したことに加え、排出ガス規制の狭閒で牙を抜かれた感がぬぐえなかった。続く3代目として大きな期待の中で登場したのがZ31型といえる。ここでは2月15日に発売された【GT memories8 Z31フェアレディZ】から抜粋して、その魅力をお届けしよう。

VG30ET搭載の新世代フェアレディZ300ZXが登場

2代目フェアレディZ(S130型)を引き継ぐ形で、1983年9月にフルモデルチェンジして登場したのがZ31型だ。当時はまだ圧倒的な差があった欧州スポーツカーを凌駕するという、大きな使命を課せられていた日産の意欲作だった。まだロングノーズの古典的FRスポーツカーのイメージを引きずったスタイルではあったが、Cd値0.31という優れたエアロダイナミクスも実現していた。

画像: S130型にくらべてかなり現代的になったスタイリング。ボンネット左側のエアインテークが300ZXの証明だ。

S130型にくらべてかなり現代的になったスタイリング。ボンネット左側のエアインテークが300ZXの証明だ。

注目されたのはエンジンだ。2Lと3LのV6 SOHCターボの2本立て(VG20ET/VG30ET)でスタートする。とくに300ZXに搭載されたVG30ETは当時の国産乗用車としては出色の230psを発生。最大トルクも34.0kgmという太さでハイパワーとフレキシビリティを両立させていた。

足回りもZ31型専用に開発されたものだ。基本設計は先代のストラット/セミトレーリングアームを引き継ぐものの、根本からサスペンションジオメトリーを見直したり、世界初となる3ウェイアジャスタブルショックアブソーバーを採用するなどにより走行安定性を高めている。

画像: 7連メーター(並びは6つだが左から2番目のメーターが油温と油圧を兼ねる)がずらりと並んだコクピット。ステアリング形状はA形スポークだ。

7連メーター(並びは6つだが左から2番目のメーターが油温と油圧を兼ねる)がずらりと並んだコクピット。ステアリング形状はA形スポークだ。

インテリアは、見た目の華美さに流されることなく機能性も追求した。シートの形状、機能はもちろん、ステアリング機構の改良も行っている。視認性に優れたメーター類、操作性の良いクラスターメータースイッチの採用など、先進性に富んだものとなっていた。

Z31型 日産 フェアレディZ 300ZX 主要諸元

●全長×全幅×全高:4335×1725×1295mm
●ホイールベース:2320mm
●車両重量:1325(1330)kg
●エンジン:V6 SOHCターボ
●排気量:2960cc
●最高出力:230ps/5200(グロス)rpm
●最大トルク:34.0kgm/3600(グロス)rpm
●トランスミッション:5速MT(4速AT)
●駆動方式:FR
●車両価格:320万7000円(324万円)※1983年当時

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