「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、レクサス IS F CCS-Rだ。

レーシングドライブの極意を、アマチュアでも楽しめる

画像: 輸出仕様がベースなのでハンドル位置は左。センターコンソールはカーボン製だが、ATのシフトノブなどはノーマルを使っている。

輸出仕様がベースなのでハンドル位置は左。センターコンソールはカーボン製だが、ATのシフトノブなどはノーマルを使っている。

VDIMによって限界点が分かりやすく、次の周でドライビングを修正するひとつの目安となるのでサーキット走行が楽しくなる。ただし、全部オマカセでコントロールしてくれる・・・、というほど安全セッティングではない。

たとえば、アクセルを踏みすぎると最初にはっきりとリアタイヤがスライドしてドリフトのきっかけが始まるが、スピンしそうなレベルまでいく前にしっかり制御してくれる。

この最初のスライドが肝心で、ここにレーシングドライブの極意が隠されている。その領域でコントロールすることがナチュラルなFRのサーキットでの楽しみ方なのだ。ステアリングだけでなく右足でクルマをコーナリングさせる楽しさ。つまり、その極意をアマチュアでも楽しんでもらえるように間口を広げているのだろう。

エンジン本体はノーマルといえども5Lの423psは強力だ。8速ATはATとは思えないほどにダイレクトでレスポンスが良い。とくにダウンシフト時の制御は素晴らしい。

このCCS-Rを販売するかどうかは未定とのことだが、こんなに気軽にサーキット走行をこなし、さらにそのままニュルブルクリンクなどのレースイベントにも参加できる車両は、めったにない。ぜひ発売してほしいものだ。(編集部註:レクサス IS F CCS-Rは、市販はされませんでした)

■レクサス IS F CCS-R 主要諸元

●全長×全幅×全高:4760×1815×1385mm
●ホイールベース:2730mm
●車両重量:1400kg以下
●エンジン種類:V8 DOHC
●排気量:4968cc
●最高出力:311kW<423ps>以上/6600rpm
●最大トルク:505Nm<51.5kgm>以上/5200rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR

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