2022年3月18日、いよいよF1グランプリが開幕する。開幕戦の舞台はバーレーン。新型コロナウイルスがグランプリにどのような影響を及ぼすか、ウクライナ情勢はどうなるのか不透明のまま、22戦におよぶ長いシーズンが始まろうとしている。はたして今年のF1グランプリはどんな戦いになるのか、シーズン開幕を前に、7回にわたって変更点、注目ポイントをチェックしていこう。本記事は第5回。

2022年の開幕戦時点で基本的な新規開発が凍結

パワーユニットのレギュレーションに大きな変更はない。2014年からはじまった現在の1.6L V6ターボ+ハイブリッドシステム規定となっており、2022年シーズンも基本的に2021年シーズンのものが使われることになる。

ただそれでも競争の激しいF1では、日々このパワーユニットも進化しており、現在すでに2021年最終戦の仕様とは大きく異なっていると言われる。

そんな状況の中、F1のコスト高騰問題を受けて、2022年の開幕戦時点で基本的な新規開発が凍結(周辺パーツもその後段階的に開発凍結)されることになったのがひとつの大きなポイント。このため各パワーユニットサプライヤーは開幕戦までにパフォーマンスを向上させた「新しい仕様」を確定すべく開発を急いでいる。開幕戦のパワーユニットのパフォーマンスに注目が集まる。

2022年シーズンのパワーユニット規定にもうひとつの注目点がある。新たにバイオエタノールを10%混合した「E10燃料」と呼ばれる新燃料基準が導入されること。ちなみに2021年シーズンはバイオエタノール5.75%混合燃料が使われていた。なお、将来的には持続可能な燃料「eフューエル」が使われることになっている。

このほか、パワーユニットでは燃料供給システムの新たな統一コンポーネンツ(マクラーレン・アプライド・テクノロジーズ製)の導入、コントロールセンサー(セントロニクス製)の高精度化なども行われている。

各パワーユニットの供給チーム

●メルセデス「M 13 Eパフォーマンス」

・メルセデスAMG ペトロナス フォーミュラ1チーム
・マクラーレン F1チーム
・アストンマーティン アラムコ コグニザント F1チーム
・ウィリアムズ レーシング

画像: 4メルセデス製パワーユニット「 M 13 Eパフォーマンス」は4チームに供給される。

4メルセデス製パワーユニット「 M 13 Eパフォーマンス」は4チームに供給される。

●レッドブルパーワトレーンズ「RBPTH001」

・オラクル レッドブル レーシング
・スクーデリア アルファタウリ

画像: ホンダの技術を受け継ぐレッドブル・パワートレーンズ製パワーユニット「RBPTH001」は、レッドブル レーシングとスクーデリア アルファタウリが使用。

ホンダの技術を受け継ぐレッドブル・パワートレーンズ製パワーユニット「RBPTH001」は、レッドブル レーシングとスクーデリア アルファタウリが使用。

●フェラーリ「066/7」

・スクーデリア フェラーリ
・アルファロメオ F1チーム オーレイン
・ハース F1チーム

画像: 大きく進化したと噂されるフェラーリ製パワーユニット「066/7」。スクーデリア フェラーリ、アルファロメオ F1チーム オーレイン、ハース F1チームが搭載。今年こそ、王座奪還を狙う。

大きく進化したと噂されるフェラーリ製パワーユニット「066/7」。スクーデリア フェラーリ、アルファロメオ F1チーム オーレイン、ハース F1チームが搭載。今年こそ、王座奪還を狙う。

●ルノー「E-Tech RE22」

・BWT アルピーヌ F1チーム

画像: アルピーヌA522にはルノー製パワーユニット「E-Tech RE22」が搭載される。

アルピーヌA522にはルノー製パワーユニット「E-Tech RE22」が搭載される。

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