2022年3月18日、いよいよF1グランプリが開幕する。開幕戦の舞台はバーレーン。新型コロナウイルスがグランプリにどのような影響を及ぼすか、ウクライナ情勢はどうなるのか不透明のまま、22戦におよぶ長いシーズンが始まろうとしている。はたして今年のF1グランプリはどんな戦いになるのか、シーズン開幕を前に、7回にわたって変更点、注目ポイントをチェックしていこう。本記事は第6回。
レース結果に影響を及ぼす裁定判断の決定機構も改善!?
テクニカルレギュレーションのほか、スポーツレギュレーションでもいくつかの変更が行われる。
興味深いのが、「予選Q3進出ドライバーはQ2でベストタイムを出したタイヤで決勝スターティンググリッドにつく」という規定が廃止されたこと。下位のチームに戦略的なアドバンテージを与えてレースを面白くしようと試みられていたが、トップチームは難なくそのハンデを克服、中団グループの中にはあえてQ2でトップ10に入らない戦略をとるチームも現れ、予選の緊張感が削がれるところがあった。
2021年「スプリント予選」が行われたレースでは全車が決勝スタートタイヤを自由に選択できたことで、トップ10ドライバーへの制約ルールが合理的でなくなったということもある。
その「スプリント予選」のレギュレーションも小変更。「スプリント」と名称を変えて、上位8位までポイントが付加されるととになった。また、「スプリント」の結果で決勝グリッドのすべてを決めたのでは予選の意味が薄れることから、金曜日予選1位のドライバーがポールポジションを獲得することになった。
フリー走行の実施時間も変更となる。従来午前中に行われてきたフリー走行が、予選や決勝のコンディションと異なっては意味のないものになってしまう、という指摘を受けて、フリー走行はすべて午後の時間帯に行われることになった。
このほか、2021年シーズンの反省もふまえて、セーフティカーの導入ルール、悪天候でレースができなかった場合のポイント加点についても改良が加えられた。また、FIAレースディレクターのマイケル・マシが退任、レースコントロールは新たな体制で行われることになる。