高剛性ボディとしっかりとストロークする足回りのコンビネーション
車重は1900kgと決して軽くはないが、急な加速を必要にする場面でひとたびアクセルを踏み込めば、強大なトルクを発生するから加速は想像以上に力強い。ダイナミックセレクトで走行モードをスポーツに切り替えれば、エンジンはパワーバンドを積極的に使うように回転数は高くなり、ハンドリングも機敏になるのでスポーツ走行も可能だ。こうした性格の変化も面白い。
1800rpmで440Nmものトルクを発生するディーゼルターボエンジンは、1.5Lのガソリンモデルに比べてISGの恩恵は感じないのでは？と思っていたのだが、ギアチェンジのショックをほとんど感じないなめらかな加速感はISGによるもの。また、ダイナミックセレクトでエコに設定すると、惰性で走っている時には積極的にコースティングを行うのだが、エンジン始動時の振動も抑えられていた。
今回は市街地とワインディングロードでの試乗だったが、オールテレインの乗り味は、高いボディ剛性もあってかっちりとしていた。車高が上がったことにより、通常のCクラスよりは凸凹道では左右の揺れは大きくなった気もするが、それ以上に、しっかりとストロークする足回りの印象が強く、コーナーでは路面に吸いつくような安定感としなやかさを感じた。
正直、車高が40mm高くなったオールテレインにワインディングロードでの走りの楽しさは期待していなかったのだが、実際にそういった場面でも軽快に駆け抜けることができるCクラスのハンドリングの良さも併せ持っていた。
走行モードは6種類。オールテレインには専用の「オフロード」「オフロード+」が用意される。
オールテレインには、ダイナミックセレクトの「エコ」「コンフォート」「スポーツ」「インディビジュアル」のほかに、エンジンやトランスミッションを制御して悪路での走破性を高める「オフロード」と「オフロード＋」が用意されている。今回の試乗ではオフロードモードを試すことはできなかったが、このクルマに乗るからにはそういうシーンも走ってみたい。
C220d 4マティック オールテレインは、ステーションワゴンの使い勝手とCクラス持ち前の走りの良さをスポイルせずに、走破性を高め、荒れた路面でも安心して走ることができる「上質なオールラウンダー」。このクルマがドライブの可能性を広げてくれるから、どこまでも、いつまでも走っていたくなる。（写真：井上雅行）
メルセデス・ベンツ C220d 4マティック オールテレイン 主要諸元
●全長×全幅×全高：4760×1840×1495mm
●ホイールベース：2865mm
●車両重量：1900kg
●エンジン：直4 DOHCディーゼルターボ
●総排気量：1992cc
●最高出力：147kW（200ps）／3600rpm
●最大トルク：440Nm／1800-2800rpm
●トランスミッション：9速AT
●駆動方式：4WD
●燃料・タンク容量：軽油・66L
●WLTCモード燃費：17.9km／L
●タイヤサイズ：245／45R18
●車両価格（税込）：796万円
