燃料残量が少なくなった時点で燃料系にトラブル発生?
レッドブルにとって開幕戦バーレーンGPは「悪夢」のようなレースとなった。
フェルスタッペンはトップを走るシャルル・ルクレール(フェラーリ)を追って2番手を走行、終盤に導入されたセーフティカー明けの再スタートで逆転を狙ったが、ペースが上がらずよもやの失速。スローダウンしながらピットインしてそのままレースを終えた。
フェルスタッペンのリタイアで、かわってセルジオ・ペレスが3位に上がったが、やはりペースが上がらず、ファイナルラップの1コーナーでスピンを喫してコース上でストップした。エンジンが止まったことによるリアタイヤのロックが原因だった。
ふたりのマシンに続けざまに起きたトラブルは、燃料タンクからパワーユニットへ行く燃料ラインになんらかの問題があったようで、2台のレッドブルのマシンの燃料タンクに数kgのガソリンが残っていたという。
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抜きつ抜かれつのバトルを展開するフェルスタッペン(左)とルクレール。速さは見せたが、フェルスタッペンはリタイアに終わる。
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まさかのノーポイントに終わったフェルスタッペン。
また、同じレッドブル・パワートレインズのパワーユニットを搭載するアルファタウリのピエール・ガスリーは、ポイント圏内を走行中にマシンの電源が落ちてコース脇にストップ。その直後、リアから激しく出火して、終盤のセーフティカー導入のきっかけを作ってしまった。原因はMGU-Kのトラブルと推定されている。
もう1台のレッドブル・パワートレインズユーザーである角田裕毅(アルファタウリ)は、16番グリッドから好スタートを切ると力強い走りを見せ、ソフト→ミディアム→ソフト→ソフトの3ストップ戦略で8位入賞を果たした。ただ、レッドブル・パワートレインズ4台のうち3台のリタイアに、入賞を手放しで喜べない状況だった。
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予選16番手から8位入賞を果たしたアルファタウリの角田裕毅。
なお、ハードタイヤを使った2ストップ戦略も想定されていたが、タイヤウオーマーの温度が70度に制限されたことで温まりに時間がかかることもあり、ハードタイヤを使用するチームは少なく、ソフトなタイヤを使ったマルチストップが主流となった。2021年から18インチタイヤに変更されたことに加えて、今後各チームがハードタイヤをどう使うか興味深い。
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開幕戦バーレーンGPでの各ドライバーのタイヤ戦略。ソフトタイヤが重要なコンパウンドとなった。
次戦第2戦サウジアラビアGPは、3月25日、ジェッダの市街地コースで開幕。2週連続による開催でトラブル解消にかけられる時間がない中、レッドブル勢はどこまで修正してくるか。
2022年F1第1戦バーレーンGP決勝 結果
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ)57周
2位 55 C.サインツ(フェラーリ)+5.598s
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+9.675s
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)+11.211s
5位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)+14.754s
6位 77 V.ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ)+16.119s
7位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+19.423s
8位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)+20.386s
9位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+22.390s
10位 24 周冠宇(アルファロメオ・フェラーリ)+23.064s
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リタイア 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)
リタイア 11 S.ペレス(レッドブル)
リタイア 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)
ファステストラップ:16 C.ルクレール(フェラーリ)1:34.570