2009年9月、欧州でアウディA5スポーツバックが発表された。クーペ、カブリオレに続く「A5シリーズ第3のモデル」は、A5クーペとA4アバントという既存の素材を使って開発された画期的なアイデア商品だった。ここではイタリア・フローレンスで行われた国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年10月号より)

ダイナミックでありながら、フォーマルな面も併せ持つ贅沢さ

2.0TFSIエンジンは最高出力211ps/6000rpm、最大トルク350Nm /1500-4200rpmを発生する。そして7速Sトロニックを介し、クワトロシステムでトルクを4輪に適切に配分する。そのトルク配分は40:60を標準に、65:35から15:80まで可変する。

画像: アウディA5シリーズに登場したスポーツバック。クーペ、カブリオレに続く第3のモデルとなる。A3スポーツバックはワゴンに近い形態だったが、こちらは4ドアクーペに近いイメージ。

アウディA5シリーズに登場したスポーツバック。クーペ、カブリオレに続く第3のモデルとなる。A3スポーツバックはワゴンに近い形態だったが、こちらは4ドアクーペに近いイメージ。

車両重量は1615kgと同じ仕様のA4アバントよりもわずかに重いが、優れた空力特性によりカタログ上の最高速度は241km/h、0→100km/h加速は6.6秒と速い。

走り出しても、とても軽快なことはアクセルペダルに軽く足を乗せただけ抵抗なく前進することからもわかる。かなりの速度で流れるイタリアのアウトストラーダの本線進入も難なく成功する。そしてそのまま加速すると、アウトストラーダの制限速度130km/hにすぐさま到達し、全くストレスなく巡航する。長いホイールベースから走りは実に安定していて、ピッチングも少ない。ロングツーリングはA5スポーツバックの得意科目になるだろう。

その後、撮影のために一般道路とまるでラリーのスペシャルステージのようなワインディングロードに入ったが、このコースではオプションのアウディドライブセレクトを「ダイナミック」に選択してスポーツ走行を楽しむこともできた。

アウディA5スポーツバックは、セダンではフォーマル過ぎて、またアバントではダイナミックさに欠けるという贅沢なユーザーにぴったりである。しかも価格はA5クーペより700ユーロ(約9万5000円:当時のレート)安く、A4アバントより400ユーロ(約5万5000円)しか高くない。日本への導入時期や価格はまだ決まっていない。(文:木村好宏)

アウディA5 スポーツバック 2.0TFSI クワトロ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4711×1854×1391mm
●ホイールベース:2810mm
●車両重量:1615kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1984cc
●最高出力:155kW(211ps)/4300-6000rpm
●最大トルク:350Nm/1500-4200rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:4WD
●EU総合燃費:13.3km/L
●タイヤサイズ:225/50R17
●0→100km/h加速:6.6秒
●最高速:241km/h 
※EU準拠

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