開幕戦の借りを返すポールトゥウィン
41周で行われた決勝レースは、気温23度、路面温度32度の快晴の中で行われた。フロントロウからスタートした野尻と宮田は好スタートを切る中、3番手スタートの笹原がまさかの2戦続けてのストール。3位に山下がつけ、4位に小林が上がってきた。オープニングラップのダンロップコーナーで松下信治（B-Max Racing Team）が牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）と接触し、牧野はコース上にストップ。これによりセーフティカーが導入された。松下はこの1件でドライブスルーペナルティが課せられている。
2日続けてのエンジンストールとなった笹原右京。前日に対策を施したはずだが、原因は他にあるのだろうか？
5周目にレースがリスタートされるが、5位につけていたフェネストラズがアドバンコーナーでコースオフ。さらに7周目の100Rでも大きくコースを外れスピン、ピットに入り、勝負権を失ってしまった。
周回が進むにつれ、後続がピットインしタイヤ交換義務を果たしていく中、上位勢はステイアウト。そして上位陣で最初にピットインしたのは平川で、インラップでタイムを削り22周目にピットイン。開幕戦で見事なピットストップをみせたインパルチームだが、今回は前回を凌ぐ6.1秒という停止時間で平川をコースへと送り出した。タイヤ交換組の中でトップになった平川はピットインしていない上位勢の前に出るためにプッシュする。25周目に宮田がピットインし、平川の前でコースに戻ったが、100Rで平川が宮田をパスし実質2番手まで浮上した。
トップを走る野尻は26周目にピットイン。平川の前に出た野尻はアウトラップでポジションを守るには十分な距離をキープしトップでレースに復帰した。タイヤ、OTS（オーバーテイクシステム）ともに平川より余裕を持たせた野尻が後続とのギャップを保ちながらファイナルラップへ。
開幕戦に続き速さをみせつけた平川に対し、1.659秒のギャップをキープした野尻が見事トップチェッカーを受け、今シーズン初優勝をポールトゥウィンで飾った。2位には平川、3位にはスーパーフォーミュラで初の表彰台獲得となった宮田が入った。
平川のアンダーカットを防ぎ、余力を残しながらの優勝した野尻（手前）。まさに王者の貫禄と言える。
まだ開幕2戦を消化したのみだが、2022年は平川と野尻を中心に激戦が繰り広げられそうだ。デビュー戦から躍動したルーキーたち、復調を目指す猛者たちがどのように表彰台に絡んでいくのかに注目したい。今年は何人のウイナーが誕生するのだろうか。（写真：井上雅行）
2022年 スーパーフォーミュラ第2戦 決勝結果（上位10名）
1位：野尻智紀（TEAM MUGEN）
2位：平川亮（carenex TEAM IMPUL）
3位：宮田莉朋（Kuo VANTELIN TEAM TOM’S）
4位：山下健太（KONDO RACING）
5位：三宅淳詞（TEAM GOH）
6位：関口雄飛（carenex TEAM IMPUL）
7位：大津弘樹（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）
8位：ジュリアーノ・アレジ（Kuo VANTELIN TEAM TOM’S）
9位：小林可夢偉（KCMG）
10位：笹原右京（TEAM MUGEN）
ポールトゥウィンを達成した野尻が２ポイント差でランキングトップに浮上した。
2022スーパーフォーミュラ ドライバーズランキング（第2戦終了時点）
1位：38pt／野尻智紀（TEAM MUGEN）
2位：36pt／平川亮（carenex TEAM IMPUL）
3位：19pt／宮田莉朋（Kuo VANTELIN TEAM TOM’S）
4位：13pt／関口雄飛（carenex TEAM IMPUL）
5位：11pt／サッシャ・フェネストラズ（KONDO RACING）
6位：8pt／山下健太（KONDO RACING）
7位：7pt／三宅淳詞（TEAM GOH）
8位：5pt／牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）
9位：5pt／笹原右京（TEAM MUGEN
10位：4pt／大津弘樹（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）
1勝1敗の五分となった野尻（左中心）と平川（左）。3位に入った宮田（右）はスーパーフォーミュラで自身初のポディウム登壇となった。
2022スーパーフォーミュラ チームランキング（第2戦終了時点）
1位：48pt／carenex TEAM IMPUL
2位：36pt／TEAM MUGEN
3位：20pt／Kuo VANTELIN TEAM TOM’S
4位：19pt／KONDO RACING
5位：9pt／TEAM GOH
6位：9pt／DOCOMO TEAM DANDELION RACING
7位：4pt／TCS NAKAJIMA RACING
8位：3pt／P.MU/CERUMO・INGING
9位：2pt／KCMG
