2022年4月15日、アストンマーティン ジャパンは同年2月にワールドプレミアされたDBXのフラッグシップモデル「DBX 707」の実車を早くも日本で公開した。

その名のとおり、最高出力は707ps!

アストンマーティン初のSUVである「DBX」は2019年11月に発表され、ほぼ同時期に日本でも実車が公開された。そのDBXのフラッグシップモデルとなる「DBX 707」は2022年2月にワールドプレミアされたことは当Webモーターマガジンでも紹介したが、それからわずか2カ月あまりで、日本デビューを果たした。

画像: 前後異サイズのタイヤは22インチ!という大径のピレリPゼロ。

前後異サイズのタイヤは22インチ!という大径のピレリPゼロ。

エクステリアでは、標準モデルよりも大型化されたフロントグリルにダブルベーンと6本の水平バーを配して見た目のインパクトを高め、新デザインのエアインテーク、ブレーキ冷却ダクト、フロントスプリッターなどがハイパフォーマンスモデルとしての風格を醸し出している。サイドシルは彫刻的なフォルムに仕立てられ、地を這うようなDBX 707のスタンスを強調する。

リアエンドも、ルーフウイングに新しいリップスポイラーを追加して、美的フォルムと空力機能の両方を同時に引き上げている。また、ツインリアディフューザーを大型化して、その下にはサテンブラック仕上げの新しい大径4本出しエキゾーズトシステムが覗いている。

インテリアではスポーツシートを標準装備(コンフォートシートは無償オプション)。電動アジャストは16ウエイで、前後シートともヒーターを標準装備。インテリアトリムは、レザーとアルカンターラのコンビを標準とするが、セミアニリンレザーもオプション設定されている。

画像: ヘッドレスト一体型でレザーとアルカンターラのコンビネーション スポーツシートが標準装備される。

ヘッドレスト一体型でレザーとアルカンターラのコンビネーション スポーツシートが標準装備される。

パワーユニットはスタンダードのDBXのもの(550ps)を車名のとおり最高出力を707psにアップしている。最大トルクも700Nmから900Nmへと引き上げられている。この出力&トルクアップのために、ターボチャージャーにボールベアリング式を採用し、専用のセッティングを行っている。トランスミッションは、湿式クラッチの9速ATが組み合わされている。

このトランスミッションは、従来型のトルコン式ATよりトルク伝達容量が大きいため、707ps/900Nmというハイパワーを余すことなく4輪に伝達する。しかも、トルコン式ATより変速スピードは速く、シフトフィールも改善され、コントロール性とレスポンスの向上が図られている。0→100km/h加速は、3.3秒と驚異的だ。

このハイパワーを御するストッピングパワーも増大されている。前:420mm径/後:390mm径のカーボンセラミックディスクブレーキと6ピストンキャリバーを標準装備し、4輪合計でバネ下重量を40.5kgも削減している。油圧系やブースターも見直してブレーキのフィーリングとレスポンスを向上させ、また冷却性能も引き上げられている。

画像: その名のとおり707psと900Nm荷パワーアップされた4LのV8ツインターボエンジン。

その名のとおり707psと900Nm荷パワーアップされた4LのV8ツインターボエンジン。

タイヤ&ホイールは22インチを標準装備として、オプションで23インチも設定されている。また、新バージョンのエレクトロニックリミテッドスリップリアディフェレンシャル(eデフ)も採用された。これは900Nmの最大トルクに耐えられるよう強化され、最終減速比を標準のDBXよりローギアード化し、加速とレスポンスを向上させている。

前後のトルク配分は標準のDBX同様フルオート化されており、リアに最大100%のトルクを伝達することもできる(つまりRWDとなる)。エアサスペンションは、標準のDBXのシステムを踏襲しているが、シャシはDBX 707専用のチューニングが施され、ボディコントロールとステアリングレスポンスが引き上げられている。

世界でもっともパワフルなラグジュアリーSUVと謳われる、アストンマーティン DBX 707。そのライバルは、ランボルギーニ ウルスやマセラティ レヴァンテなどといった、いずれもハイパワーかつゴージャスなモデルたち。そして、あのフェラーリもSUVをスタンバイしているという。トップエンドのSUVも、百花繚乱に展開していくようだ。

画像: アストンマーティンジャパンの寺嶋正一 マネージングディレクターとDBX 707。

アストンマーティンジャパンの寺嶋正一 マネージングディレクターとDBX 707。

■アストンマーティン DBX 707 主要諸元

●全長×全幅×全高:5039×1998×1680mm
●ホイールベース:3060mm
●車両重量:2245kg(空荷重量)
●エンジン:V8 DOHCツインターボ
●総排気量:3982cc
●最高出力:520kW(707ps)/4500rpm
●最大トルク:900Nm/2600−4500rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●0→100km/h加速:3.3秒
●最高速度:312km/h
●タイヤサイズ:前285/40YR22、後325/35YR22
●車両価格(税込):3119万円

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