3台のハイパーカークラス車両による接近戦
ハイパーカー2年目となるWECは、べルギーのスパ・フランコルシャンで第2戦を迎えた。開幕戦ではアルピーヌ・エルフ・チームのアルピーヌA480・ギブソンが優勝、新たなBoP(性能調整)が注目される中、6日に行われた予選では708号車のグリッケンハウス007 LMHがポールポジションを獲得。2番手にアルピーヌ36号車が続き、トヨタGR010ハイブリッドの7号車は3番手、8号車は4番手となった。
トヨタ勢は長い決勝レースをふまえて無理をしなかった印象だったが、トップ集団に大きな差はなく、決勝でも激戦が予想された。
その決勝レースは気温18度、ドライコンディションでスタート。オープニングラップでコースオフ車両のためにいきなりSCを導入されるが、レースが再開されるとトヨタ勢が順調に順位を上げて1-2体制をつくりあげていく。
ところが、スタートから1時間が経過したところでLMP2車両がクラッシュ、赤旗中断に。その中断の間に雨が強くなり、ここから波乱の展開になっていく。
赤旗中断からのリスタートはSC先導となったが、ここで8号車トヨタGR010ハイブリッドがトラブルからコース脇でストップ。リタイアとなってしまう。その後、再スタートするも、雨は激しさを増しコースの状況はどんどん悪化、タイヤ交換のタイミングなどでトップが入れ替わる一方で、難しいコンディションで混乱は続いた。
レースはさらに2度の赤旗中断を経て、残り2時間強で再開。ようやく雨が止み、徐々に路面が乾き始めるコンディションの中で、7号車トヨタGR010ハイブリッドはトップをキープ、終盤に3度のFCYが出されるなど混乱はまだ続いたが、7号車トヨタが3台のハイパーカークラス車両による接近戦を制した。
1台はリタイアとなったものの、これでトヨタはスパ・フランコルシャン6連覇。シリーズのハイライトとなる次戦ル・マン24時間に向けて弾みをつけるレースとなった。
そのル・マン24時間レースは、6月3日・4日にル・マン市内で行われる「公開車検」で開幕。6月5日の「テストデー」、6月7日の「ピットウォーク」の後、6月8日14時(日本時間21時)からのフリープラクティス1回目でいよいよ公式に走行開始、6月9日20時(日本時間10日3時)に各クラスの上位グリッドを決する「ハイパーポール」が行われ、決勝は6月11日土曜日16時(日本時間23時)にスタートが切られる。
2022年WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝結果
優勝 7 TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 ハイブリッド 103周
2位 36 アルピーヌ・エルフ/アルピーヌ A480-ギブソン +24.473s
3位 31 WRT/オレカ07-ギブソン +66.185s
4位 41 リアルチームby WRT/オレカ 07-ギブソン(LPM2) +100.676s
5位 38 JOTA/オレカ 07-ギブソン(LPM2) +108.571s
リタイア 8 TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 ハイブリッド