グローバルでの販売開始に合わせて、日本仕様も展開か
1966年に発表されたトヨタ カローラは、12世代で約5000万台以上を世界で販売してきた。日本人的には「ザ国民車」のイメージがあるかもしれないけれど、現行の12代目は、欧州市場でもトヨタブランドにとってコアモデルに位置づけられている。
グローバル化に伴って多様化も進み、今やハッチバック、セダン、ツーリングスポーツ(ワゴン)、カローラ クロス(SUV)と、4つの車型を展開。エリアごとのニーズに合わせたローカライズが徹底されているものの、先進的であり高品質であり、さらにはスタイリッシュでスポーティという評価は世界共通だ。
そんなカローラシリーズについて、北米(2022年6月1日)と欧州(6月2日)向けの大幅改良が相次いで発表された。いわゆる2023年モデルということで、現地でリリースが始まるのは10月からが予定されている。日本市場向けの仕様変更はまだ発表されていないがタイミング的には、グローバルでの販売開始に合わせて同様の改良が施されることになると思われる。
質感を高めた内外装のブラッシュアップ。ADASも最新版に
内外装の変化については、地域ごとの仕様に対応したグレードアップが図られていることから、そのまま日本仕様へと反映されるものかどうかははっきりしない。たとえば欧州仕様のエクステリアは、フロントグリルのメッシュパターンやフォグライトベゼル、アルミホイールのデザインなどに変更が加えられているという。
上級グレードの一部には、Bi-LEDヘッドライトやアダプティブハイビームシステムなどが設定される。ボディカラーは3つの新色を設定。インテリアのグラフィックも新調されるとともに、トリムやエンボス加工のパターンを変更することで、クオリティがさらに高められた。より洗練されたアレンジはぜひ、日本仕様にも盛り込んで欲しい。
トヨタ・セーフティセンスのバージョンアップも期待される。右直事故の回避を支援するエマージェンシーステアリングアシストや、自転車の接近にともなう警告システムなど、安全運転支援の装備も一気に進みそうだ。
よりパワフルでコンパクト、軽量な1.8Lハイブリッド
一方で確実に日本のカローラシリーズをグレードアップさせることになりそうなのが、最新世代のハイブリッドパワートレーンの採用だろう。新型ノア/ヴォクシーから展開されている第5世代の機構が、パワーアップすると同時により効率を高め、優れたドライバビリティを実現してくれるハズだ。
欧州仕様の1.8L hybridの場合、システム総合出力は142psを発生、日本仕様の現行型(同122ps)と比べても20psほど向上している。それでいながら、電動パワートレーン、バッテリーなどの各ユニットはより軽量・コンパクト化が進み、さらにはCO2排出慮は102g/kmで変わらないという。
実際に0→100km/h加速が1.7秒短縮されたというから、かなりの性能向上が体感できることだろう。また北米仕様では、高出力の4WD用リアトランスアクスルを新たに採用。従来のE-Fourを凌ぐ安定した旋回性能を実現するという。
機構的改良だけでなく、ハイブリッドシステムのドライバビリティについても見直され、操る魅力がより高められているという。加速感がよりスムーズになるほか、静粛性も向上するなど、新型カローラは走りのブラッシュアップにひときわ大きな期待が持てそうだ。