ランボルギーニのリリースする純粋なICE搭載車の登場は残すところ数モデル。その中のひとつとなるウラカン テクニカについて技術部門とデザイン部門の責任者にインタビューする機会が3メディアにのみ与えられた。その内容を報告する。(Motor Magazine 2022年7月号より)

Y字型とヘキサゴンで新しいウラカンのデザインにした

──ルーヴェンさんにお聞きします。ウラカンテクニカ(以下、テクニカ)の技術的な部分ではモータースポーツからのフィードバックが多く見られますがエンジンとサスペンションのマッチングも含め、ターゲットはサーキットですか?4WDではなくRWDにしたのもサーキット走行での「FUN」性を重視したからですか?

ルーヴェン・モール氏(以下、ルーヴェン氏)「正確にそうだと言うわけではありません。基本的にこのクルマは両方の一番いいところを組み合わせています。要するに都市部での使用やワインディングロードを走ったりという日常使いとサーキットを想定しています。両方に合うクルマを作りたかったのです。サーキットでの「FUN」性を重視したというのは、おっしゃるとおりです。レースでも乗っていただきたいと思って開発した部分もあります」

画像: チーフテクニカルオフィサーのルーヴェン・モール(Rouven Mohr)氏。

チーフテクニカルオフィサーのルーヴェン・モール(Rouven Mohr)氏。

──テクニカは、STOと同じ最高出力が640psですが5.2L V10エンジンのパフォーマンスはどこまでアップが可能ですか?

ルーヴェン氏「常に、改良しています。改良しない現状維持では、新型車として出す意味がありません。実際、このV10エンジンの一番いいところは絶対的なホースパワー、馬力です。しかし一番大事なV10エンジンの良さは、リアクションの良さ、レスポンスです。
それからアクセルペダルとクルマのリアクションのダイレクト感、これもリアクションの良さです。あとはエモーションです。もちろん常に改良していますが、数値上のパワーを上げることだけを狙っているわけではありません。ドライバーに一番いいフィードバックを提供し、エモーションを感じていただきたいと思っています。それが大事な要素だと思います」

画像: ヘキサゴンとY字型というランボルギーニのDNAを使いながら、新しいウラカンをデザインしたという。リアウイングを装着することでエキゾーストのあるリアに視線が集中する。

ヘキサゴンとY字型というランボルギーニのDNAを使いながら、新しいウラカンをデザインしたという。リアウイングを装着することでエキゾーストのあるリアに視線が集中する。

──テクニカでは、フロントフードやリアデザインにインパクトがありました。六角形のエキゾーストエンドなど、新しいデザインですが、これはランボルギーニの新しいアイコンとして今後も使われていくのでしょうか?

ミーティア・ボルケート氏(以下、ミーティア氏)「新しいランボルギーニをデザインするときは、まずそのクルマのブリーフィングを聞いてから行います。テクニカは、ファンドライブを最大限引き上げ、そして後輪駆動、後輪操舵で、さらにダウンフォースを上げたい、ということを念頭にテクニカをデザインしました。ウラカンを次のレベルに引き上げたいと思ったんです。
まったく新しいフロントエンドをデザインしましたが、フロントボンネットにカーボンファイバーを採用し、さらにスプリットラインを設けることでカーボンファイバーだとすぐにわかるようにしました。フロントウインドウも目立つものに変えています。
そうすることでフロント全体が非常に目立ちますよね。ウイングも少し広げてY字型デザインを入れています。これでエアロダイナミクスのカーテンが強調されています。リアフェンダーのショルダー部分はとてもセクシーですよね。ウイングも付いているのでヘキサゴンのパイプが目立ちます。
ヘキサゴン自体は、ランボルギーニのデザインエレメントで年代のミウラから始まるランボルギーニのシグネチャーです。
テクニカではヘキサゴンをエキゾーストパイプと新しいホイールにも採用しています。今後はモデルによって変えるかもしれませんが、テクニカは、新しいデザインにしたかったので型とヘキサゴンをこのように使いました」

画像: デザイン部門責任者ミーティア・ボルケート(Mitja Borkert)氏。

デザイン部門責任者ミーティア・ボルケート(Mitja Borkert)氏。

──最後に教えてください。電動化モデルになるとデザインは、これまでと大きく変わりますか?

ミーティア氏「ランボルギーニのデザインはぶれません。常にワオ!と驚かせたいと思ってデザインしています。事前に知りたいのはわかりますが、クリスマスプレゼントと同じで、もらう前にわかっても面白くないですよね」

ルーヴェン氏「私からもひと言。ドライブトレーンにかかわらず、ランボルギーニはカッコ良くて、素晴らしいデザインのクルマを提供します。電動化するから違うことをやるわけではありません。これまでのランボルギーニのDNAの中でできることをやり、ワオ!を提供することを約束します」

This article is a sponsored article by
''.