8号車を襲った小さなトラブルが勝敗を分けることに
2022年のル・マン24時間は好天に恵まれてセーフティカー導入1回のみと波乱の少ないクリーンなレースとなり、 トヨタGR010ハイブリッドの2台が前評判どおりライバルを寄せ付けない圧巻の走りを見せた。
フロントロウからスタートしたトヨタの2台は、レース中盤まで大きなトラブルもなく、順位を入れ替えながらチームメイト同士で息詰まる優勝争いを繰り広げていた。
そんなトヨタにアクシデントが襲ったのは、16時間を経過しようとする256周目。首位を走行していた7号車にフロントモーター関連の電装系トラブルが発生したのだった。ドライバーのロペスはコース脇にマシンを停め、なんとかシステム再起動させて走行を再開して緊急ピットイン。このアクシデントで8号車に約1周の差をつけられることになった。
その後、速さを取り戻した7号車は最速ラップを叩き出す走りで追い上げたものの、トヨタのチーム同士の性能が拮抗した2台において、アクシデントによる差はあまりに大きく、8号車がそのままリードを保って栄光のトップチェッカーを受けた。
WECのシーズン選手権争いでは、他のレースの倍のポイントを獲得できるル・マンで1-2フィニッシュを果たしたことで、トヨタはマニュファクチャラーズランキングで2位のアルピーヌに22ポイント差をつける首位に浮上。ドライバーズポイントでも、8号車の3人は首位のアルピーヌ36号車に3ポイント差の2位と大きく躍進、7号車の3人は首位と20ポイント差の4位につけた。
トヨタはル・マン5連覇の喜びもつかの間に、7月10日(日)に行われる次戦WEC第4戦イタリア・モンツァでの6時間レースに臨む。
2022年WEC第3戦ル・マン24時間 決勝結果
優勝 8 トヨタGAZOOレーシング/トヨタ GR010 ハイブリッド 380周
2位 7 トヨタGAZOOレーシング/トヨタ GR010 ハイブリッド +2:01.222
3位 709 グリッケンハウス/ グリッケンハウス007LMH −5周
4位 708 グリッケンハウス/ グリッケンハウス007LMH −10周
5位 38 JOTA/オレカ 07-ギブソン(LPM2) −11周
2022年WECドライバーズランキング(第3戦終了時)
1位 36号車 アルピーヌ・エルフ 81
2位 8号車 トヨタGAZOOレーシング 78
3位 708号車 グリッケンハウス 69
4位 7号車 トヨタGAZOOレーシング 61