クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車ジープ コンパス リミテッドを紹介していこう。今回は長期レポートの最終回ということで、いろいろ活躍してくれたこの12回を振り返ってみたい。(Motor Magazine 2019年1月号より)

ひと月の平均走行距離は約1500km

2017年12月8日から活躍してくれたMMコンパス号のレポートは、今号が最終回。12回にわたってその活躍ぶりをお伝えしてきたが、その間に記録した走行距離はおよそ1万8000kmほど。単純に計算すると月間での平均走行距離は約1500kmとなる。これは、今まで担当してきた歴代の長期テスト車とほぼ同等の運用実績で、ジープ コンパスのオールマイティぶりを実感することができた。

駐車時にフロントフェンダーの左側面をブロック塀の角でわずかに擦っていた、という何とも情けないアクシデントは起こしてしまったものの、それ以外は実に元気に活躍を重ねてくれた。

街中でジープ車の姿を見かける機会が格段に増えた、と感じる今日この頃だが、その中でも、コンパスのスタイリッシュさは際立っていると思う。もちろん、それは多くの人が抱いているであろう「ジープらしさ」というテイストが控えめだということにもなるのだが、MMコンパス号に乗っていると「えっ? この赤いクルマってジープなの?」という問いかけや驚きを何度も言われたことがある。

画像: ジープのアイデンティティである「7スロットグリル」。縦長の穴が7つ並ぶジープ伝統のデザインを、モダンに実現。

ジープのアイデンティティである「7スロットグリル」。縦長の穴が7つ並ぶジープ伝統のデザインを、モダンに実現。

扱いやすさが印象のタイガーシャークマルチエアIIエンジン

「タイガーシャーク マルチエアII」という愛称を持つ2.4L 直4 SOHCマルチエアエンジンは、自然吸気式ならではの素直さと扱いやすさが印象深い。ただしこのエンジンは、走行距離だと5000kmごとのエンジンオイル交換が推奨されている。これはMMコンパス号だと3〜4カ月に1回の割合で巡ってくるので、日頃のエンジンオイル量チェックとともに、走行距離の確認を忘れないよういつも気にしていた。テスト期間中に3回、エンジンオイルの交換を行っている。

リミテッドに標準装備される機能の中でよく活用したのは、なんといっても「アダプティブクルーズコントロール」だ。高速道路の巡航時に重宝させてもらった。積極的にアラートを出してくれる「ブラインドスポットモニター」の助けも、合流や車線変更時などに有用であった。コンビニエンスストアの駐車場で「リアクロスパスディテクション」が他車の接近を教えてくれて気が付いたことも印象深かった。

画像: センターディスプレイは速度表示にしておくことが多かった。右側の速度計を見るよりも瞬時に視認できるからだ。

センターディスプレイは速度表示にしておくことが多かった。右側の速度計を見るよりも瞬時に視認できるからだ。

■第12回/2018年10月26日~11月22日(12カ月目)のデータ
・オドメーター:1万9537km
・走行距離:1177km
・給油量:115.1L
・実燃費:10.2km/L

ジープ コンパス リミテッド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4400×1810×1640mm
●ホイールベース:2635mm
●車両重量:1490kg
●エンジン:直4 SOHC
●総排気量:2359cc
●最高出力:129kW(175ps)/6400rpm
●最大トルク:229Nm(23.4kgm)/3900rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・60L
●JC08モード燃費:9.6km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):419万円(当時)

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