トヨタが選手権のリードを広げて迎える夏の高速決戦
前戦第6戦サファリラリー ケニアでは、トヨタのカッレ・ロバンペラが優勝、エルフィン・エバンスが2位、勝田貴元が3位、セバスチャン・オジェが4位と、トヨタGR YARIS ラリー1ハイブリッドが歴史的な1-2-3-4フィニッシュを達成。トヨタが第8戦ラリーイタリアでの優勝で息を吹き返したヒョンデを再び撃破、選手権のリードを広げることになった。
2022年WRCドライバーズランキング(第6戦終了時)
1位 K.ロバンペラ(トヨタ) 145
2位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)80
3位 O.タナック(ヒョンデ)62
4位 勝田貴元(トヨタ)62
5位 C.ブリーン(Mスポーツ フォード)60
6位 E.エバンス(トヨタ)57
2022年WRCマニュファクチャラーズランキング(第6戦終了時)
1位 トヨタ 246
2位 ヒョンデ 184
3位 Mスポーツ フォード 144
そして迎える第7戦ラリーエストニアは、ここまでのグラベルラリー3戦とは大きく異なる超高速イベントとなる。ステージはハイスピードで、アップダウンが激しく、ビッグジャンプも多くあるなど、次戦第8戦として予定されているラリーフィンランドと共通点が多く見られるが、路面は全体的にフィンランドよりも軟らかく、同じステージを2回目に走行する際は轍が刻まれるのが特徴だ。
2022年はトヨタのロバンペラが史上最年少記録を大幅更新して初優勝
ラリーの中心となるサービスパークは、過去2大会と同じく、エストニア第2の都市タルトゥのラーディ飛行場跡に設けられ、競技は14日木曜日の夕方にサービスパークのすぐ近くで行われる全長1.66kmのスーパーSSでスタート。
本格的な戦いは16日金曜日からとなり、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。17日土曜日は4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行し、1日の締めくくりとしてサービスパークの近くでスーパーSSが1本行われる。
最終日18日の日曜日は、3本のステージを各2回走行。そのうち、最終ステージのSS24は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
ステージは全部で24本、合計313.84km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1486.77kmとなる。
2021年のラリー・エストニアでは、本命と言われたヒョンデのタナックがSS3でフロントタイヤを、SS4はスペアタイヤを失った状態でさらに2つのタイヤをパンクさせてリタイア。トヨタのロバンペラとヒョンデのクレイグ・ブリーンの一騎討ちとなったが、ラリー最長の土曜日のSS10で、ロバンペラがブリーンに14.3秒の大差をつける渾身のベストタイムをマーク。その後も徐々に差を広げて大量リードを築いたロバンペラが、最終日もSS19〜SS24も慎重に走り切り、史上最年少記録を大幅更新する初優勝を飾った。
トヨタのロバンペラ、ヒョンデのオイット・タナック、ティエリー・ヌーヴィルらが得意とする高速グラベルイベントで、なかでも昨年のこのラリーで記念すべきWRC初優勝をあげたロバンペラが今シーズン絶好調なだけに優勝候補となるだろう。今季6戦4勝と絶好調のロバンペラ(トヨタ)が独走体制を確固たるものにするのか、これ以上離されるわけにはいかないヒョンデが一矢報いるのか、夏の高速グラベルラリーに注目したい。
【参考】2021年 WRC第7戦ラリー・エストニア 結果
1位 K.ロバンペラ(トヨタ ヤリス WRC)2h51m29.1s
2位 C.ブリーン(ヒョンデ i20クーペ WRC)+59.9s
3位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20クーペ WRC)+1m12.4s
4位 S.オジエ(トヨタ ヤリス WRC)+1m24.0s
5位 E.エバンス(トヨタ ヤリス WRC)+2m07.1s
6位 T.スニネン(フォード フィエスタ WRC)+7m07.3s
7位 P.ルーベ(ヒョンデ i20クーペ WRC)+8m48.3s
8位 A.ルキャヌク(シュコダ ファビア ラリー2 Evo)+10m16.1s
9位 A.ミケルセン (シュコダ ファビア ラリー2 Evo)+10m29.9s
10位 M.オストベルグ(シトロエン C3 ラリー2)+10m46.6s