「Q by アストンマーティン」の設立10周年を記念するデザインコンセプト
モントレー カーウイークは、米国カリフォルニア州のモントレーという街を中心に、約10日間にわたってさまざまなクルマのイベントが開催される。最近は、プレミアム ブランドがここで、コンセプトカーやニューモデルのワールドプレミアを行うことが多い。
ここで紹介する「DBR22」は、アストンマーティンのビスポーク部門である「Q by アストンマーティン」の設立10周年と、その無限の可能性を祝うためのモデルでもあるという。
クラシックなプロポーションと完璧かつ筋肉質な曲線を備えたDBR22は、アストンマーティンの伝統を誇り高く表現している。このモデルは、1953年のル・マン24時間レースに参戦した「DB3S」や、1959年のル・マン24時間レースに優勝した「DBR1」といった、世界の頂点に君臨する2シーターのオープンコクピット スポーツカーを送り出してきた同社の長い系譜を物語っているだけではなく、説得力のあるテーマをダイナミックかつ新たな解釈で表現している。
かつて、アストンマーティンは世界88台限定のスペシャルモデル「V12スピードスター」を発表し、さらに、前述の「DBR1」をオマージュした特別仕様「V12スピードスター DBR1 カスタム」を発表したが、このDBR22は、そのコンセプトの延長線上にあるモデルといえるだろう。
クラシックな佇まいと現代的なアプローチの融合
DBR22は、アストンマーティンのデザイナーが考案した、まったく新しいボディを特徴としている。彫刻的で筋肉質な存在感を創出するため、最小数のボディパネルから構成され、その結果、ドラマチックでエレガントなスタイルをシームレスに融合し、いくつかの非常にユニークなデザインエレメントで補完されたボディが完成した。
フロントグリルには、アストンマーティンの量産車に採用されているベーンの代わりに、ユニークなカーボンファイバー デザインを活用している。これは、前述のDBR1とDB3Sからインスパイアされたものだ。
5.2LのV12ツインターボを搭載したエンジンフードにはU字型のベントが設置されている。長いボンネットライン、低いウインドディフレクター、ドア上部に取り付けられたカーボンファイバー製アームの繊細なミラーなどが特徴的だ。DBR22用に新設計されたユニークな14スポークデザインの軽量アロイホイールは、モータースポーツ由来のセンターロック ハブを備え、ボディカラーも含めて特注の色にカスタマイズが可能だ。
コクピットは、数多くのユニークなコンポーネント、レザー、素地を露出させたカーボンファイバーを幅広く使用し、クラシックな佇まいと現代的なアプローチを融合している。まったく新しいダッシュボードとスリムなインフォテインメント ディスプレイに代表されるアーキテクチャーは、クリーンで整然としたインテリア環境の創出に貢献している。
インテリアはレーシングカーからインスピレーションを得ているが、快適性も重視している。現代的なダッシュボードやドア上部、そしてカーボンファイバー製のパフォーマンスシートは、しなやかで独特の香りを放つレザーが張られ、魅力的なインテリアが生み出されている。
シート後部では、ドライバーとパッセンジャーの後方に生まれるエアフローを整流するため、ナセルと呼ばれる隆起が左右に設置されている。リアエンドには、専用設計されたスリムで幅広いライトストリップを採用し、他車とは一線を画した水平基調のグラフィックを特徴としている。その下には、熱を後方に排出するためのパーフォレーテッドデザインのパネルが設置されている。
スムーズに統合されたディフューザーと2本の大径エキゾースト テールパイプにより、DBR22は信じられないほどの存在感を発揮し、エキサイティングなドライビング体験を提供する。これらの内外装の素材や色も、多様なオプションが設定されている。