ロバンペラのチャンピオン決定の可能性も
前戦ラリー・フィンランドの終了後、1週間という短いインターバルを経て、戦いの舞台はフィンランドの未舗装路から、ベルギーの舗装路に移る。
前戦ラリー・フィンランドではヒョンデのオィット・タナックが得意の高速グラベルで本領を発揮して優勝。スタート順のハンデに苦しんだトヨタのカッレ・ロバンペラは、土曜日以降、ベストタイムを連発して追い上げたものの、最後は無理せず選手権を優先して2位でフィニッシュした。
これでロバンペラがドライバーズランキング2位のタナックに94点の大差をつけて第9戦イープル・ラリーを迎えることになったが、今回このイープル・ラリーでロバンペラが優勝した場合、4戦を残して初のドライバーズタイトルを獲得する可能性もある。
2022年WRCドライバーズランキング(第8戦終了時)
1位 K.ロバンペラ(トヨタ) 198
2位 O.タナック(ヒョンデ)104
3位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)103
4位 E.エバンス(トヨタ)94
5位 勝田貴元(トヨタ)81
6位 C.ブリーン(Mスポーツ フォード)64
2022年WRCマニュファクチャラーズランキング(第8戦終了時)
1位 トヨタ 339
2位 ヒョンデ 251
3位 Mスポーツ フォード 174
小さなミスが大きなアクシデントに繋がりやすい難しいラリー
イープル・ラリーは、農場内の道幅が狭いをターマック(舗装路)が中心となるのが特徴。直線とジャンクション(曲がり角)が連続するステージが多く、道の脇には排水溝や電柱があり、道幅が狭いため、小さなミスが大きなアクシデントに繋がりやすい難しいラリーとして知られている。
きつい曲がり角でイン側をカットして走るクルマが多く、石や砂がステージ上にかき出されるのも特徴で、そのため路面の変化、グリップの変化が大きい。グラベルと違って出走順が早いことはクリーンな状態の路面を走ることができることになるが、路面に土や埃が浮いて滑りやすいこともある。
ラリーのサービスパークは今年もイープルの街中に置かれ、昨年は遠く離れた東部のスパ・フランコルシャン・サーキットで最終日を行ったが、今年は全ステージがイープルから半径30km以内に収まるなど、非常にコンパクトな構成となっている。
競技初日となる19日の金曜日は、イープルの周辺で4本のステージを半時計周りに走行。ミッドデイサービスを経て、同じステージを再走する。
20日の土曜日も、金曜日と同じエリアが舞台となるが距離は長くなり、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。8本のステージの合計距離は133.22kmと、3日間で最長の一日になる。
最終日の21日日曜日は2本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。ケンメルベルクで行われる最終のSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
ステージは全部で20本で、その合計距離は281.58km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は687.24kmとなる。